試乗した車を返さずトンズラ、販売店の店主「誰も信じられない…」。

2012/01/25 17:08 Written by Narinari.com編集部

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米国の中古車販売店で先日、試乗サービスの車に乗ったまま、男2人組が姿を消すという事件が起きた。良かれと提供したサービスで、客だと思った2人に裏切られる結果となったキャリア35年の販売店の店主は「もう誰も信じられない……」と、大きなショックを受けているようだ。

米紙アトランタ・ジャーナル・コンスティチューションなどによると、この事件は1月16日午後、ジョージア州ローレンスビルの中古車販売店で起きた。店主のケント・スワンソンさんが車でやって来た30歳前後の男2人に対応していると、2人は6,000ドル(約46万円)で販売していたゼネラルモーターズのポンティアックグランプリ(2004年製)に興味を示したという。

そこで2人に試乗してもらうことにしたスワンソンさん。ここで彼は「相手を信用する」というポリシーもあって、2人の身分をしっかり確認しないまま車のキーを渡してしまった。そして、1人がポンティアックグランプリに乗って店を離れると、もう1人は乗ってきた車で中古車を追っていったという。このとき、彼は初めて心の中で嫌な予感がしたそうだが、時すでに遅かった。

それから15分後、スワンソンさんに電話をかけてきた男たちは「車にGPSが付いているか」を確認。付いていない旨を話して電話を切ったスワンソンさんは、胸騒ぎを覚えて着信履歴に残った番号に掛け直すと、電話に男が出ることはなく、ここでようやく「盗まれた」と気が付いた。すぐに警察に通報し、控えていた2人が乗って来た車のナンバーなどを伝え、これを受けて警察も周辺の捜索を始めた。

実はこの2人組、ジョージア州に隣接するサウスカロライナ州の刑務所から脱走した34歳と26歳の逃亡犯だった。共に5年の刑期で服役していた2人は近くの缶詰工場での作業に従事していたが、21日夜に“遅番”の勤務に出た2人は、未明に現場から逃走。22日朝になって刑務所側も2人がいないのに気付き、捜索を始めていたそうだ。そんな2人だったとは知らず、車を持ち去られたスワンソンさんは「もう誰も信じられない」とがっくりと肩を落としている。

現在も捕まっていない2人に対しては、ジョージア州やサウスカロライナ州に加え、26歳男の家族がいるフロリダ州も含めて今も警察が行方を捜索中。盗難被害に遭ったのが、キャリア35年で2回目だというスワンソンさんは、今回の事件を教訓に、今後「身分が明らかでない人は、絶対車に乗せない」と心に決めたそうだ。

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