女性になった“夫”と再び結婚、妻は苦悩も「気持ちは変わらない」。

2012/01/12 12:30 Written by Narinari.com編集部

このエントリーをはてなブックマークに追加


英国で暮らすある女性は昨年、思いもよらぬ形で“同性”との結婚に至ったという。彼女とパートナーになったのは、9年間仲良く結婚生活を送った“夫”。ある日、「女性になりたい」という夫の隠し切れない想いを知った彼女はその気持ちを受け入れて支えようと決意し、2人は“同性カップル”として2度目の結婚式を挙げたそうだ。

英紙デイリー・ミラーやデイリー・メールなどによると、この夫婦は英中部の街ハリファクスで暮らす、43歳で元夫のジェーン・ワトソンさんと53歳の妻アンさん。1995年、アンさんは交際相手募集の広告で見つけた“バリー”さんと出会う。当時、離婚を経験して傷心だったというアンさんは、彼の「少年のような素晴らしい容姿」に心奪われ、一方の彼も気の合う彼女に「完全に惹き付けられた」そうだ。そして半年間の交際を経て一緒に住み始め、2002年に結婚。しかしこのとき、“バリー”さんは彼女に大きな秘密を隠していた。

それは、幼いときから抱えていた「女性になりたい」という願望。子どもの頃から「男の子とサッカーをするよりは、女の子と石けりをするのが普通だった」という彼は、母親が出かけたらこっそり服を借りるといった、できる範囲の方法で欲求を満たしていた。当時、母親が戻って来て自分の服に着替えたときは「刑務所に送り返されるような気持ちになった」と話す“バリー”さんは、成長すると自分で女性の服を買うようになり、街へ出かけるまでに。ただ、彼は女性への変身願望が大きくなると同時に、男性である現実も何とか受け入れようと努力もしたそうで、その気持ちから交際相手募集の広告も出し、アンさんと出会ったというわけだ。

幸い、アンさんという素晴らしいパートナーを見つけ、男性として結婚に至った“バリー”さん。しかし、彼女と結婚してからも女性になりたい気持ちは変わらなかった。子どもの頃と同様に、アンさんが出かけると女性の服に身を包み、女性になり切って「チャットフォーラムに参加した」とも。そんな夫の様子に、アンさんもいつしか違和感を覚え始めたという。そして2008年、アンさんは夫から話を聞き、彼の本当の気持ちを知った。

はじめはその話を信じられず、「別の女性と企んで彼が騙しているのかと思った」というアンさん。さらに彼の話が本当だと分かっても、それを受け入れるには相当な時間が必要だったという。以来、徐々に彼のことを考えられるようになったという彼女は、「たとえ夫が女性になりたいと願っていたとしても、私の気持ちは変わらない」と思うようになり、それからは夫が女性になっても一緒にいる決意を固めたそうだ。

晴れてアンさんに事情を理解してもらった夫は、ホルモン投与などにより女性化を進め、名前もジェーンに改名。そして変わらぬ関係を確かめるため、2011年に2人は改めて結婚式を挙げた。

現在は女性同士として「笑いながら髪型や服、化粧とかの話をしている」そうで、すっかり2人の関係も落ち着いた様子。元“夫”のジェーンさんは、「みんなは私がおかしな人間だと思うかもしれないけど、私にとって重要なのは妻が愛してくれているってこと」と話し、アンさんに対し変わらぬ信頼を寄せている。

TOPへ戻る
このエントリーをはてなブックマークに追加

Copyright © Narinari.com. All rights reserved.