海底発見カメラの持ち主捜し、写真データをヒントにネットの力で解決。

2011/12/01 11:37 Written by Narinari.com編集部

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先日、カナダの海底でボロボロのカメラを見つけたカメラマンがいる。名前が書いてあるわけもなく、誰のモノともわからないカメラだったが、彼は思い出が詰まる写真データを目にして“持ち主捜し”をしてみようと考えた。

米放送局ABCや英紙デイリー・メールなどによると、このカメラの“持ち主捜し”をしたのは、自然をモチーフにした写真が専門のカナダ人カメラマン、マーカス・トンプソンさん。先日、仕事の関係でバンクーバーに近いブリティッシュコロンビア州ディープベイという街で海に潜った彼は、海底に沈んでいたキヤノン製のデジタル一眼レフ「EOS 1000D(=EOS Kiss F)」を見つけた。長時間沈んでいたことを示すように、カメラは本体やレンズが茶色に変色し「腐食していた」(ABCより)のだが、気になったトンプソンさんはそのカメラを持ち帰ることにした。

そして、本体の中にSDカードが入っていると気付き、それを抜いてきれいにしてみると、記録されたデータを読み出すことに成功。抽出できた約50枚の写真には、ブリティッシュコロンビア州の消防士と思しき男性が、2010年8月の日付で「美しい奥さんと2歳くらいの娘」(デイリー・メール紙より)と一緒に写るたくさんの姿があった。そんな家族の思い出を目にした彼は、SNS「Google+」に11月25日付でカメラの写真を投稿。写真から得た情報も書き込み、“持ち主捜し”への協力を呼びかけた。

この呼びかけに、ブリティッシュコロンビア州のユーザーを中心に多くの人が反応。彼のもとには、わずかな時間で「数千のコメント」が寄せられたという。それと同時に、彼はカメラにあったシリアル番号から持ち主が捜せないかと、キヤノンカナダ社に問い合わせもしたそうだが、残念ながらこれは「登録がない」として特定には至らなかった。

しかし、ほどなくしてネットで有力な連絡を得ることになる。それは、消防士訓練の競技会を行う「Firefit」職員の“ヒラリー”さんという女性から送られてきたメールだった。その内容は、彼女は持ち主である消防士の男性を「知っている」として、本人からトンプソンさんに連絡する旨が書かれていた。

こうして1年以上海底に沈んでいたカメラは、トンプソンさんの行動と多くのユーザーたちの協力によって、無事、持ち主のもとへ帰還。もちろん錆びたカメラは「もはや動かない」そうだが、お金では買えない思い出の写真データをしっかり本来の場所へ戻せたことには、トンプソンさんも、持ち主の家族も喜んでいるに違いない。

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