妻の指輪捨て9tのゴミ山捜索、うっかりミスが招いた汚臭との戦いの顛末。

2011/11/18 08:42 Written by Narinari.com編集部

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どんな人でも、油断をすればうっかりミスをすることはある。それは仕方のない話だが、小さなミスが大きな代償を払う結果を生む場合もあるから、どんな行動や決断も最低限の注意力は持っておきたいところだ。米国で暮らすある男性は、よりにもよって自分のゴミと一緒に、妻が大事にしていた婚約指輪を誤って捨ててしまった。妻の視線からも恐怖を感じた夫は、翌日迷わずゴミ処理場に向かうと、指輪を見つけるため9トンのゴミ山に飛び込んだ。

10月30日、フロリダ州ココナッツクリークで幸せな生活を送る34歳のブライアン・マッギンさんは、自分のうっかりミスで大慌てする事態を引き起こしてしまった。その日の夜、シャワーを浴びる妻を横目に洗面台を片付けていた彼は、妻の指輪があることに気が付かず自分の使い捨てカミソリと一緒に掴むと、台所のごみ箱へ一緒にポイッ。しかも彼はしっかり者の夫らしく、片付けを終えるとすぐにごみ袋を持って、外のゴミ収集場へと運んだという。

しかし家に戻った彼に待っていたのは、まさかの「妻から浴びる恐怖の目」(米Fox系列WSVN-TVより)。シャワーから出てきて指輪が無くなっていることに気が付いた29歳の妻アンナさんは、彼がどこかへやったと思ったようだ。無くなったのは、5年前に結婚したアンナさんが彼からもらった、大事な大事なダイヤモンドの付いた婚約指輪。事態を飲み込んだ2人はパニックとなり、「あまりのショックで泣いた」妻の姿に「今までで最悪のうっかりミス」と話したブライアンさんは、落ち込む間もなく急いで外の収集場へと引き返した。

ところが、うまく行かないときは何をやってもうまく行かないもの。彼がついさっき捨てたゴミは、ほんの10分ほど前に処理場に向けて出発していた。そこで、愛する妻を悲しませた責任を感じた夫は翌日、自分が捨てた指輪を探すためにゴミ処理場へと足を運んだ。やって来たブライアンさんの前に立ちはだかったのは、山のように積まれた9トンのゴミ。事情を知った処理場の職員から、防護服やヘルメット、手袋にマスクなどを貸してもらった彼は、「まるで宇宙飛行士」(米紙マイアミ・ヘラルドより)のような出で立ちとなって捜索を始めた。それでも汚臭が鼻に突き抜け、若干の嘔吐もしながら、職員の協力も得てゴミ山を見回り始めたそうだ。

このゴミの山から遺失物を見つけ出すミッションに成功したのは、過去にたった1人いるだけ。しかもそのときは「1日8時間探して3日かかった」ほど困難な捜索だったため、「あまり期待しないように」と職員から言われていたが、懸命なブライアンさんは幸運を呼び寄せた。探し始めてわずか30分、職員に重機でゴミ山を崩してもらっていると、中から妻の大好きな「フローズンヨーグルトのカップ」が入ったごみ袋が出現。もしやと思い近付くと、それは自分が捨てたごみ袋と分かったのだが、残念なことに袋の口がしっかり縛られておらず、ほとんどの中身は外へ落ちてしまっていた。

喜び束の間、また諦めずに近辺を探す彼は、自分が捨てたビンやカミソリなどは見つけ出したものの、指輪は一向に見つからず。そして、借りた厚手の手袋をしていては「指輪くらいの小さい物が探り当てられない」と業を煮やした彼は、手袋を外すと下に溜まった汚水に手を突っ込み、最後の執念を見せる。すると探し始めて90分、「釘かと思った」物を拾ってみると、それは探していた妻の婚約指輪。思わず、彼は「ターザンのような雄叫び」を上げて喜んだという。

今度は指輪を大事に持って、宝石商に持ち込んできれいにしてもらうと、その足で妻の職場へと立ち寄り、見つけた指輪を再び妻へプレゼント。これにはアンナさんも、ミスを取り返すには充分な仕事をした夫を「彼は私のヒーローなの」(WSVN-TVより)と大絶賛したそうだ。

ただ、妻からは「もう指輪を触らせないわ」としっかり釘も刺されたブライアンさん。3か月後に生まれてくる予定の男の子が成長したら、今回の経験から「たとえ問題が山積みでもやり遂げろ」とアドバイスしたいそうだ。

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