「モーゼのようだ」水を割る橋、水面より低く建設されたデザインが話題に。

2011/11/16 19:17 Written by Narinari.com編集部

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大自然の渓谷から都会の大きな道路まで、利用者が安全に反対側へ渡れるように作られている橋。一般的に思い浮かべるイメージは、恐らく“地上よりも高い場所に架けられている”といったものだが、オランダのある濠には、水面よりも下に通路が設けられた橋がある。離れた場所から見ると、通行者がまるで水中を歩いているかのように見えるユニークな橋として、欧米のネットで注目を集めているようだ。

米デザイン情報サイト「Inhabitat」によると、この橋はオランダにある、17世紀に建設されたルーバル要塞の濠に架かる歩道橋。当時のオランダは、フランスやスペインの侵攻を阻止するため多くの要塞が次々と作られていた。ルーバル要塞もその1つで、囲むように作られた濠は「人が横断するには深く、船が通るには浅すぎる」深さに設計されているという。

そんな要塞を訪れる人たちのために、オランダの建設デザイン会社「RO & AD Architects」が濠に作ったのがこの歩道橋だ。まるで濠の水を分けて進むように見えることから「モーゼのようだ」とも言われているが、同社サイト上の説明によると、この橋は要塞の復元作業に合わせて新たに建設されたそう。それに合わせて、景観との調和と「意外な外観」という“オランダらしい考え”に基づいて設計を重ねた結果、今回の歩道橋が生まれたというわけだ。

人がすれ違うのもやっとくらいの幅で作られた橋は、すべて防水や防菌加工のコーティングがされた木材で建設。水を遮る通路の壁は、水面より若干高い程度に抑えられており、離れた場所から見ると、そこに橋があるとは到底気付かないほどだ。そのためこの橋を渡っている歩行者を見ると、難なく濠を進んでいるかのような不思議な光景が楽しめる仕組みになっている。

ちなみに、見ても使っても楽しめそうなこの橋は、オランダ国内で高い評価を受けているそう。また、ここ数日欧米メディアからも注目が集まり、斬新な橋と話題を呼んでいる。

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