地下鉄の乗って隣町に行く鳩、エサを求めてショッピングセンターへ?

2011/11/15 15:00 Written by Narinari.com編集部

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スウェーデンに最近、地下鉄を定期的に利用する“鳩の集団”が現れ、話題を呼んでいる。この集団はいつも隣の駅までのわずか1駅だけ地下鉄に乗り、決まってショッピングセンターのある出口のほうへ向かうそうだ。

スウェーデン紙ザ・ローカルによると、この珍客が現れたのはストックホルムの街を走る地下鉄。その姿を目撃した職員の話では、“鳩の集団”はストックホルム南部の路線の始発駅ファルスタストランド駅周辺に生息してるようで、普段はこの駅から地下鉄に乗り、隣のファルスタ駅で降りていくそうだ。ファルスタ駅の周辺には多くのカフェやレストランが入るショッピングセンターがあり、鳩は餌を探して移動するときに乗車しているのではないかと推測されている。

しかも、乗車するときは「静かにホームで電車が到着するのを待っている」そう。通勤ラッシュを避けて遅い時間帯に現れると、車内では行儀良くして乗客を混乱させることはないというから、しっかり隅で大人しくしているようだ。

地下鉄職員の間では、最初にたまたま地下鉄の乗り方を覚えた鳩が現れ、次第に仲間もそれに続いて乗るようになったのではないかと考えているという。また、すでに1990年代には地下鉄に乗る鳩を見たと話す運転士もいるそうで、実はかなり以前よりストックホルムの鳩は地下鉄を移動手段として利用していたのかもしれない。

ただ、専門家からは、こうした行動をマネする鳩が増えないうちに「職員が追い払う努力を」との警告も。人間に対する病気の感染という脅威は少ないものの、地下鉄を利用する鳩が増えれば車内がフンで汚される可能性は高まってしまう。鳩のフンは粘着質のため、専門家は「多くの人がうんざりするかもしれない」と、そうなる前に早めの対処が必要との認識を示した。

一方この地下鉄では、職員のルールでは「もし鳥が乗ろうとしているシーンを見かけたら、追い払う努力をする」となっているそうだが、現時点では「乗客からの苦情もない」ことから、“鳩の集団”に対しては静観している。また、鳩の乗車が目撃されるのはショッピングセンターへ向かうときだけで、帰りは飛んで生息場所へ帰っている可能性が高いという。ひょっとしたら彼らは地下鉄利用で空腹時の体力消耗を抑え、かつ人に追い払われないよう大人しく乗る手段を覚えたのでは――そう考えると、ストックホルムの鳩たちは、世界の鳩の中でも相当賢い集団なのかもしれない。

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