今の子どもはお菓子よりiPad? 誘拐事件多発の中国で幼稚園が誘惑実験。

2011/11/10 07:14 Written by Narinari.com編集部

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保護者や先生にとって何よりも恐ろしいのは、子どもたちが犯罪に巻き込まれてしまうことではなかろうか。中国では毎年子どもの誘拐事件が多発しており、“尋ね人広告”を目にする機会は日本とは比較にならないほど多い。そんな中国のある幼稚園はこのたび、誘拐の魔の手から守るべく「子どもたちは今、どんな誘惑に弱いのか」を実験。結果はお菓子やおもちゃではなく、何よりもiPadの誘惑に弱いことがわかったという。

中国メディア半島網などによると、この実験は山東省青島市市北区にある幼稚園が11月7日、子ども38人を対象に実施したもの。実験はいたってシンプルで、教室を訪れた見知らぬ人物がお菓子やおもちゃなどを次々と提示し、子どもたちがどれに最も反応を示すかを確認するという内容だ。

まず、キャンディーやビスケットなどのお菓子をテーブルに並べて「美味しいお菓子を食べたい人」と質問したところ、子どもたちは続々と挙手。しかし、実際にテーブルまで来てお菓子に手を出す子は一人もいなかったそうだ。

同じ実験をおもちゃでも行ったものの結果はお菓子と大差なく、さらに取り出したのがiPad。すると驚くことに子どもたちから「大きなiPhone4!」「iPhone4じゃないよ。あれはiPadだ。うちにもある。『プラントvs.ゾンビ』がやりたい!」などなど、すぐに反応が返ってきた。そして“見知らぬ人物”はアッという間に38人の子どもたちに取り囲まれて人気者になり、ゲーム「アングリーバード」を起動させると“見知らぬ人物”の脚に抱きついて離れない子どももいたそうだ。

教室の混乱を避けるために、いったんiPadは幼稚園の先生に手渡されると、今度は子どもたちは先生に群がり、“見知らぬ人物”がお菓子を出して興味を惹こうとするもあえなく失敗。5人はお菓子を手にしたものの、ほかは依然としてiPad争奪戦に加わったままで、子どもを預かる幼稚園の先生も驚く結果となってしまった。

心理学の専門家はこの実験について、「今の子どもたちが電子製品に夢中になるのは普通のこと。子どもたちにとって大人の影響は大きく、目や耳からいろいろなことを覚えていきます。今の時代、子どもたちの衣食問題はとっくに解決しており、家には食べ物も十分あるわけで、多くの子どもは食品に対してそこまで興味を示しません」とコメント。また、教育専門家は「現代社会の発展スピードはとても早い。子どもたちが電子製品を利用した誘拐に巻き込まれないために、保護者と先生はきちんと安全知識を伝えなければなりません」と注意を促している。

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