ラクダと一緒に19年間物乞い、その道40年の86歳が中国全土を渡り歩く。

2011/11/08 14:46 Written by Narinari.com編集部

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中国の都市部にはいまだに多くの物乞いの姿があるが、中国ではこのたび、ラクダを引き連れた珍しい物乞いの男性が目撃され、メディアで話題を呼んでいる。

中国紙燕趙都市報などによると、この男性が目撃されたのは11月2日、河北省石家荘市の青園街と裕華東路の交差点付近。背中に多くの荷物を背負った一頭のラクダの前で、地べたに座った白髪の老人が街行く人々に物乞いをしており、その様子を多くの野次馬が見守っていたという。

老人はボロボロの衣服と帽子を身につけ、手に持った缶の中には市民から寄せられた硬貨や紙幣。ラクダの背中には衣服や布団、水など、生活用品がびっしりと積み込まれていた。

86歳の楊さんが物乞い生活を始めたのは、今から40年以上も前のこと。彼がどのような経緯で物乞いになったのか、詳しい経緯はわかっていないが、これまで中国全土を渡り歩きながらこのような生活を送ってきた。現在のパートナーのラクダは19年前に訪れた内モンゴル自治区で入手したもので、それまでに溜めたお金8,000元(約98,000円)で購入したそうだ。

楊さんは「ラクダは自分のパートナー」と語っているが、当のラクダは性格が荒く、彼の言うことを聞かないこともしばしば。物乞いは長い時間、同じ場所に留まり続けなければならないため、じっとしていられないラクダが「早く行こう」と苛立つことも多いという。

ちなみに楊さん、そんなラクダには一切乗らないそう。ラクダとはあくまでも荷物を運んでもらったり、寒い日に一緒に寝て暖を取ったりするだけの関係で、あとは“2人”で歩き続けながらの生活だ。食事は人々から恵まれたものなどを一緒に食べている。

中国に物乞いの人々は多いが、ラクダと物乞いをしている人は滅多にいない。そのため、このコンビは行く先々で人気になるようで、今回訪れた石家荘市でもたくさんの人々が彼らを囲み、写真撮影するなど楽しんでいたという。

また、中には高齢の楊さんのことを心配し、故郷に帰れるよう手を差し伸べてくれる人もいるが、仮に故郷に落ち着いたところで彼の生活が安定するわけではないため、こうした援助はすべて断っているそうだ。

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