最期は手を繋いで他界、72年間ずっと仲良しだった米国の老夫婦。

2011/11/02 09:16 Written by Narinari.com編集部

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10月12日、米アイオワ州の交差点で車同士が衝突する交通事故が発生し、残念ながら94歳と90歳の夫婦が犠牲となってしまった。その後、遺族が病院搬送後の2人の様子を明かすと、多くの米メディアが2人を紹介。全米で高い注目を集めた。 

米放送局CBS系列KCCI-TVなどによると、この夫婦はアイオワ州マーシャルタウンで暮らしていた、94歳のゴードン・イーガーさんと90歳のノルマさん。2人は10月12日昼ごろ、マーシャルタウン西部にある交差点へ車で進入した際にゴードンさんが運転操作を誤り、対向車と衝突した。「複数の骨折」(米放送局ABCより)など重傷を負った2人は病院へ緊急搬送。集中治療室で懸命の処置が行われた。

連絡を受け、すぐに病院へ駆けつけた52歳の息子デニスさんによると、搬送直後は互いに意識があったそう。彼が両親それぞれと顔を合わせると、「胸が痛い」と話していた母は父の容態を気遣い、背中を痛めていたという父はやはり姿が見えない母の容態を心配していた。しかしその後、2人とも容態が悪化。機転を利かせた病院の看護師は2人のベッドを並べて配置し、これに安心したのかゴードンさんは右手を、ノルマさんは左手を出し、2人は最愛のパートナーの手を求めたそうだ。

2人が結婚したのは、72年前の1939年5月26日のこと。当時高校生だったノルマさんが卒業式を迎えたこの日2人は初めて結ばれ、以来72年間、どんな時も一緒に行動し、「チームとして」結婚生活を歩んだ。2人の時間は私生活だけに限らず仕事先にも及び、自動車のディーラーや乳製品工場など、一緒にさまざまな職へ従事したそう。また、2人の間には子どもが4人生まれ、現在は14人の孫に29人のひ孫に囲まれる大きな一家に成長。子どもたちの目から見ても、2人は仲良し夫婦に映っていたという。

そんな夫婦は、病院のベッド上でも互いを思いやり、手を取り合ったものの、事故当日の午後3時48分にゴードンさんが息を引き取る。そのとき、家族は呼吸が止まったはずのゴードンさんの心拍計が、その後も反応していることに驚いたとも。看護師がチェックすると、握り合った手を通じてノルマさんの心拍が反応していると分かり、家族はまだ2人が協力してゴードンさんを生かしているように見せているように感じたと話している。

そして、ゴードンさんの死からちょうど1時間後の午後4時48分、ノルマさんも後を追うように息を引き取った。突然の死ながらも、家族は「彼らは一緒にいるのが大好きだから」と納得。夫婦の葬儀は10月24日に行われ、天国でも一緒にいられるようにと、2人の遺骨は同じ箱に納められたという。

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