街の人々に30個の「感謝」配る、ブラジル人男性が移住したシドニーで。

2011/09/28 18:53 Written by Narinari.com編集部

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言葉や文化の全く違う国に来て生活をするのは、そう容易い話ではない。早くその国に溶け込むためには自らコミュニケーションを図る積極性が最も重要と言えそうだが、同時に周囲が受け入れるための温かい配慮をしてくれるかどうかで、外国人のその国に対する印象は大きく異なってくるだろう。ある30歳のブラジル人男性にとっては、そうした意味で、現在暮らすオーストラリアのシドニーが大のお気に入り。そこで、先日迎えた自身の誕生日の記念に、彼は見知らぬシドニー市民30人に、街への感謝の気持ちを込めてプレゼントを配ったそうだ。

この男性は、今年2月にシドニーで生活を始めたというブラジル人のルーカス・ジャトバさん。彼の公式サイトによると、アートディレクターを生業とするジャトバさんは、勉強のために世界を転々としているアクティブな30歳だ。25歳のとき、生まれ育ったブラジル・サンパウロからイタリアへ渡ると、その後はスペイン・バルセロナで4年間生活。そして、今年2月に「新たな発見を求めて」目的地をシドニーに選び、生活をスタートさせた。

それからの7か月間は、「多くの素晴らしい出来事が起きた」というほど、充実した時間を過ごしている様子。そんな住み心地の良い国、街に住む人たちに対して「みんなありがとう」との感謝の気持ちを抱いた彼は、30歳の誕生日を迎えた8月27日に、感謝を伝えるための行動を起こした。それは、彼が暮らすシドニーの住民の中から、偶然出会う見知らぬ人たちにプレゼントを渡すというもの。その数は年齢に合わせてか、30個用意したという。

プレゼントを配る様子を収めた映像は、動画サイト「Vimeo」に「30 gifts to 30 strangers in Sydney」とのタイトルで公開されている。この日のために、彼はシャンパンやチョコレート、マッサージ券やiTunesの商品券、さらに本やぬいぐるみに日本の急須まで、さまざまなバリエーションのプレゼントを用意した。これらは、彼の友人たちときれいに1つ1つラッピング。ジャトバさんと仲間の一団は「30 gifts to 30 strangers」と書かれた特製のシャツを着て、シドニーの街中へと繰り出した。

動画を見る限り、プレゼントを渡した相手は比較的子どもを連れた親子やグループが多く、どの人も突然のプレゼントに笑顔で応じ、喜んでいたようだ。ただ、豪ニュースサイトnews.com.auの取材に応えたジャトバさんは、プレゼントを渡しに行くとき、近づいてくる奇妙な一団に多くの人が「最初、みんなちょっと怪しいと思ったようだ」と明かしている。しかし、事情を話すと誰もが「それを受け入れ、温かく幸せな気持ちになってくれた」という。

プレゼントを渡していく中で、逆にお返しと誕生日のお祝いにと、突然の出会いにも関わらず、パンや花をもらうこともあったそう。映像の中の人々は、誰もが初めて会ったとは思えぬほど友好的な雰囲気を醸し出し、素晴らしい笑顔を見せてくれるのが印象深い。ジャトバさんは「僕らは皆、地球という同じ“家”を共有しているのだから、敵ではなく全員が兄弟として接しなくては」と話している。


☆動画はこちら

「30 gifts to 30 strangers in Sydney」//vimeo.com/28878406
「Making of - 30 gifts to 30 strangers」//vimeo.com/28850787

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