駅で毎日飼い主を待つ“忠猫”、朝から夕方までホームでのんびり。

2011/09/25 03:02 Written by Narinari.com編集部

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自由なツンデレ気質の性格と愛くるしい姿で、多くの人を虜にする猫。中には、和歌山電鉄貴志川線の貴志駅にいる「たま駅長」のように、駅の看板となって地元住民や観光客に愛される存在となっている例もあるが、遠く離れたオーストラリアでも同じように人気になっている猫がいるという。この猫は飼い主の帰りを待って駅で佇んでいるだけなのだが、毎日多くの利用者がその姿を見かけては、心を癒されているそうだ。

豪紙ヘラルド・サンによると、この猫はメルボルンから北東へと伸びるハーストブリッジ線の、とある駅に毎日いる推定12歳のオス猫グレアムくん。具体的な駅名は飼い主の女性、ニコル・ウェインリッチさんの意向で明かされていないが、彼は毎朝駅に出かけては、利用する通勤客や地元の子どもたちなどから可愛がられている。

彼の年齢が“推定”となっているのは、6年前に同国の動物虐待防止協会に救われるまで、野良猫として過ごしていたから。ただ、協会に保護された後も行き場がなかった彼は、やむなく殺処分寸前となったところでウェインリッチさんに引き取られたそうで、こうした経験も影響してか、「非常にクール」な性格だという。それにも関わらず、彼は「いろいろな人たちが出かけるのを見に、駅へ行くのが好き」で、この好奇心旺盛なところは猫としての本能なのかもしれない。  

こうして朝から駅のホームにやって来ては、夕方までのんびり過ごすグレアムくん。ウェインリッチさんは、時折電車に乗ってほかの駅まで遠征してしまうのが「心配だ」と話しているが、今のところ彼と毎日挨拶を交わす地元の住民たちが、ウェインリッチさんが仕事の間はしっかり面倒を見ているようだ。ホームで日向ぼっこをしている彼のもとには、次々と駅の利用者がコミュニケーションを図りにやって来て、彼はそれを邪険にすることもなく、大人しく受け入れている。

そして彼は、夕方になると駅に着く飼い主を迎えるために、朝とは逆のホームへ向かって黄色い線の内側でしっかり待っているそう。しかも、ウェインリッチさんが「いつもどの車両に乗っているか分かっている」ため、開いたドアの前できちんとお出迎えするというから、彼女も「驚くべき猫よね」とご満悦だ。

今ではウェインリッチさんが降りようとすると、周りの乗客から「見て、グレアムだ」という声も聞かれるほど、彼の存在は地元で有名になっているという。彼の名前で開いたFacebookページも、ウェインリッチさんが「半分は知らない」という人から登録されるほど人気が広がりつつある様子。米ニュースサイトのハフィントンポストでも紹介され、オーストラリア国外でも評判を呼んでいるグレアムくんだが、そんな事情は露知らず、本人はこれからも日課のお散歩を気ままに楽しみ続けるに違いない。

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