角度によって“消える”バイク、鏡張りの箱のような車体デザイン。

2011/09/19 04:57 Written by Narinari.com編集部

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米国のあるデザイナーが“消える”バイクを製作し、注目を集めている。見る角度によってはライダーが「宙に浮いているように見える」との触れ込みのバイクは、車体がタイヤの付いた鏡張りの銀の箱のような、なんとも妙なデザインだ。    

この「Moto Undone」なるバイクを製作したのは、米国でデザイナーとして活躍しているジョーイ・ルイターさん。「人々を“次の段階”へ導く役割を担ったデザイナー」(ルイターさん公式サイトより)となるべく、革新的なデザインを追求した作品を数々生み出している彼が、新たに作り上げたのがこのバイクだ。近未来的ともシンプル過ぎとも言える、バイクと聞いてパッとイメージするデザインとは大きく異なるものとなっている。

デザインを追求し過ぎたあまり、ルイターさん自身も「あまりカッコ良くない」と認めるそのバイクの車体は、2つのアルミケースを組み合わせた、いわば長方形の箱。前部にはハンドル、後部にはペダルが真横に飛び出しているだけで、車体に機器や装飾は一切ない。そのため、スピードを知るには専用のアプリケーションを携帯電話にダウンロードして把握する必要があるという。

また、車体は鏡と同様の効果を生むほどきれいに光を反射するため、見る角度によっては「ほとんど消える」とも。しかも「90マイルもしくは3時間」運転可能な電動バイクのため運転中の音もほとんどなく、極端に言ってしまえば“姿が見えず、音もしない”バイクというわけだ。

もちろん、この車体には誰もが感じるであろう懸念が存在する。もしバイクの正体を知っていれば、さぞかしインパクトのある車体として面白く見られるだろうが、逆に知らない人が遭遇した場合、気付かないうちに接近していた、タイヤとライダーだけが走っていて驚いた――という危険な状況を生む可能性は否定できない。

それでもオートバイとしての米国の基準は満たしており、「モペッド(※ペダル付きのオートバイ)として登録」(英ニュースサイト・オレンジニュースより)され、公道を走ることも可能だ。ただ、今回は純粋な芸術作品として作られたことから現段階で量産化の計画はなく、9月21日からミシガン州のグランドラピッズ美術館に、ルイターさんのほかの作品と共に展示される予定だという。

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