盗み食いのブドウ1粒は6万円? 中国のスーパーと清掃員の間でトラブル。

2011/09/16 15:47 Written by Narinari.com編集部

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中国のあるスーパーで先日、ブドウ一粒を盗み食いした清掃員が5,000元(約6万円)の罰金を請求される一件があった。同国の八百屋やスーパーでは、品種や産地によるものの、ブドウは10元(約120円)もあればだいたい500グラムは購入できることもあり、この罰金額は驚きを持って受け止められているようだ。

中国メディア新聞晩高峰によると、この一件が起きたのは北京大興黄村にある外資系スーパーのテスコ。9月はじめ、同店の清掃員が商品のブドウを盗み食いしたことが発覚した。清掃員の秦さんは商品棚に陳列されているブドウの房から取れていた実が「このまま捨てられてしまうのはもったいない」と思ったそうで、一粒だけ口に入れてしまったのだという。

しかし、これがいけなかった。スーパーの防損部スタッフがこの盗み食いを目撃。秦さんが所属する清掃会社とスーパーの間での“罰金問題”に発展する事態になってしまった。そしてスーパーは清掃会社に対して5,000元(約6万円)の罰金を請求し、対する清掃会社は「ブドウ一粒で5,000元なんてもってのほか!」とこれに猛反発。お互い一歩も譲らず、地元メディアに報じられるトラブルになってしまった。

清掃会社の関係者は「以前、清掃員が誤ってスーパーのドアを壊したときは500元の罰金を支払わされました。なんで今回はブドウ一粒で5,000元なんですか! 差が大き過ぎる!」と怒り、スーパーはスーパーで「私たちは罰金を支払わせることで、清掃会社にスタッフの管理をきちんとしてもらえるよう訴えているだけです」とし、5,000元という金額に関しては「各店舗が自由に決められるようになっています」と説明した。

この件について意見を求められた弁護士は「清掃会社に罰金を請求することはできない」と解説。というのも、清掃会社とスーパーは契約関係にあるため、罰金ではなく違約金になるとのこと。また、スーパーの行動に一定の理解を示しつつも「違約金は普通、商品原価の30%程度」とし、5,000元という金額は「明らかに高すぎる」とした。

ちなみに、どうやらこの清掃会社とスーパーは以前から険悪な関係が続いていたようで、これまで蓄積されてきた不満が“ブドウ一粒事件”で弾けた――とも見られている。

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