奇抜な“風船ガムフライ”が話題に、米市民の意見は「まずそう」が圧倒的。

2011/09/08 09:02 Written by Narinari.com編集部

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米テキサス州ダラスでは、毎年秋に盛大なお祭り「State Fair of Texas」が開かれる。今年も9月30日から10月23日にかけて、アミューズメントパークと化した会場に多くの客が集まると期待されているが、その開催直前の恒例行事となっているのが、“揚げもの”に特化した料理コンテストだ。おいしいモノだけではなく、独創的な料理にも賞が与えられるとあって今年もさまざまなアイデアの応募が寄せられたが、中でも、最も独創的なアイデアに贈られる賞を受賞した「風船ガムフライ(Fried Bubblegum)」なる一品が話題を呼んでいる。

「State Fair of Texas」は、多くのスポンサー企業を集めて盛大に開かれるダラスの風物詩的なお祭り。会場にはスポンサー企業の出展ブースが立ち並ぶほか、有名アーティストを招いてのコンサートが行われたり、乗り物などのアトラクションが設置されたりと、子どもから大人まで誰もが楽しめるイベントだ。そんな祭りで名物の1つと言えるのが、揚げもの料理のコンテスト「Big Tex Choice Awards」。このコンテストで決勝に進出した8つ料理は、実際に会場で提供されるという趣向だ。

コンテストの参加者が目指すべき方向性は2つ。料理そのものの味を競う「Best Taste」賞を狙うか、これまでに見たこともないような独創性を競う「Most Creative」賞を狙うかだ。中でも、例年良くも悪くも注目を集めるのが、強烈なインパクトを放つ「Most Creative」の受賞作。昨年は、ラビオリのような生地の中にビールを入れて揚げた、その名も「ビールフライ」がこの賞を受賞してメディアの注目を集めたが、今年もこれに続けとばかりに、奇抜な作品に注目が集まった。

それは、ジャスティン・マルティネスさんが考案した「風船ガムフライ」。9月5日の受賞作品発表を前に、地元紙ダラス・モーニングニュースが行った市民への調査でも、その注目度は群を抜いていた。同紙は8月31日に、今年の決勝進出作品の中で「最もおいしそうな作品」と「最もまずそうな作品」をたずねるオンライン投票を実施。すると、ほかに目立って奇抜な印象の作品が無かったことも後押ししてか、「風船ガムフライ」は「おいしそう部門」で堂々の最下位になると、「まずそう部門」では2位に2.5倍以上もの大差をつける、断トツのトップに輝いた。

見た目もピンクと、すべてが異彩を放つこのアイデア。その正体は、マルティネスさんが数か月かけて風船ガムの味を再現したピンクの衣をマシュマロにまとわせて揚げたもので、実際に風船ガムを揚げているわけではない。このアイデアは、マルティネスさんの店で働く従業員が出したそうで、最初はバカにしていたという彼も、いつしかこの作品の開発に夢中になっていたようだ。

そうして完成した「風船ガムフライ」だが、かわいらしいお菓子のような見た目が功を奏したようで、審査員の1人は「子どもが夢中になると思って投票したよ」と、支持の理由を説明。その結果、5日の発表で「風船ガムフライ」は見事「Most Creative」賞を受賞した。

おかげで、早くも米国内ではメディアを通じて名前が広まり始めた「風船ガムフライ」。お祭りの本番でどれくらいの来場者が口に運ぼうとするのか、楽しみなところだ。

ちなみに、厳密には「風船ガムを揚げているわけではない」にも関わらず、「風船ガムフライ」と名付けられている点には、「(米国の)一部のネットユーザーからは『紛らわしい』と不満の声が上がっている」(米ニュースサイトcafemomより)という。ただ、そこはあえて狙った名前を付け、話題性を提供したマルティネスさんのアイデアの勝利といったところか。

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