洗濯機背負って山登りの理由、退役軍人の中年オヤジ11人が挑戦に成功。

2011/09/05 05:53 Written by Narinari.com編集部

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重さ100ポンド(約45キロ)の洗濯機や乾燥機を背負って山登り――。そんな挑戦をした11人の退役軍人たちが英国にいる。なぜ彼らは、わざわざ重い家電を“持参”して山に挑んだのだろうか。

英紙デイリー・エクスプレスやデイリー・メールなどによると、この挑戦を行ったのはかつて英国の海兵隊やパラシュート部隊にいた男性11人。現在、負傷した隊員や亡くなった隊員の家族をサポートする慈善活動を行っているダン・アップルビーさん(39歳)の呼びかけに応じて集まった。その目的は元隊員や家族のサポートに必要な寄付金を集めるため。一風変わった行動を取ることによって、人々の注目を集めようと考えたわけだ。

山登りに“持参”した洗濯機や乾燥機は、活動に賛同してくれたリサイクル業者が提供。そして8月27日、11人は湖水地方にある高さ3,209フィート(約978メートル)の山、スカーフェル・パイクに集まった。「みんな若い頃にはもっと多くの物を運んでいたよ」(英紙デイリー・メールより)とアップルビーさんが語るように、誰もが自信満々で挑んだ山登り。しかし登り始めてすぐに、現役を退いてからの時間の経過をひしひしと感じるハメになったようだ。

軍隊に居た頃には激務をこなし、体を鍛えていたといっても、今となっては良い中年のオヤジたち。しかも、今回の11人の平均年齢は「45歳」と年を重ね、中には60歳や75歳といった元隊員の姿もあった。さすがに75歳の男性はサポートメンバーだったものの、洗濯機や乾燥機を背負えるメンバーはごつごつした岩がむき出しの斜面を一歩一歩前に進み、自らの挑戦に臨んだという。ちなみにこの登山、重さはなんとか体力でカバーできたものの、背負った家電の安定性には相当な苦労を要したそうだ。

しかし、一度やると決めたからには、やり遂げるまでは逃げられない。こうして敢えて困難な挑戦を行い、全員の登頂を成功させた11人だったが、本当のゴールはそこではなかった。登り終えたら当然今度は下山が待っているわけで、達成感も束の間、再び家電を背負ってふもとへ。11人に待っていたのは、「ヘトヘトになって、膝を曲げるのも一苦労」という地獄だった。

それでも全員無事に下山し、8時間かけて挑戦を終えた11人の男性たち。体に痛みを感じながらも皆でビールを飲んで達成を祝ったそうで、アップルビーさんは「葬式じゃないところでメンバーと集まれて良かったよ」と喜んでいるようだ。

彼らの挑戦を伝えたメディアの報道も手伝ってか、当初の目的である寄付金集めは、全部で2万ポンド(約250万円)が目標のところ、9月5日現在で約1万ポンド(約125万円)以上が集まっており、なかなか順調な様子。今後も寄付を必要とする元隊員や家族のために、アップルビーさんたちがさらなる活躍をしてくれることに期待したいところだ。

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