「セサミ」キャラの同性婚を要求、米国で盛り上がるネットの署名活動。

2011/08/12 16:22 Written by Narinari.com編集部

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マペット(操り人形)のキャラクターが多数登場する「セサミストリート」は、1969年から40年以上続く米国の子ども向けテレビ教育番組。これまで日本を含む世界各国で放映され、キャラクターグッズの人気も高い番組だ。そんな「セサミストリート」に登場するキャラクターのために、米国でいま、ある署名活動がネットで広がりを見せている。

米放送局ABCなどによると、そのキャラクターはアーニーとバート。オレンジ色の丸顔と、黄色の面長顔の仲良しコンビと言えば、思い出す人も多いかもしれない。

コメディタッチの絶妙な掛け合いが人気のこの2人は、セサミストリートの一角にあるアパートで共同生活を行っている設定。しかし彼らは、兄弟でもないのに仲良く同じ寝室で寝たり(ベッドは別々)、お風呂も一緒に入ったり、何をするにも一緒ということもあり、以前から「彼らはゲイのカップルだ」という噂が都市伝説のように広がっていた。

そうした中、今年7月にニューヨーク州が同性愛カップルの結婚を合法化。これを機会に「アーニーとバートもゲイカップルであることを番組内でカミングアウトして、結婚式をするべきだ」との意見が出てきた。そこで、同性愛者支援を訴えるシカゴ在住の活動家レア・スコットさんが、オンライン署名活動サイト「Change.com」で彼らを結婚させてあげたい人たちの賛同を募るページを作成。8月12日現在、6,600を超える署名が集められている状態だ。

セサミストリートは、これまでにも「親しい人の死」「いじめ」「人種偏見」といった子ども番組らしかぬ問題を多数扱っており、米国の文化の多様性を幼い子どもたちにも判りやすく説明してきた。今回のアーニーとバートのカミングアウト&結婚も、その多様性を教えるための一つとして、実現を願う声が高まっているというわけだ。

しかし、同番組を制作するセサミ・ワークショップは、以前からアーニーとバートの“ゲイ説”について「彼らはゲイでもストレート(異性愛者)でもありません。彼らはマペットで、腰から下は存在しませんから」とコメントを発表するなど、マペットの性指向には言及しない立場を取り続けている。そのため、ネットの署名活動がいかに盛り上がろうとも、彼らのためにウェディングベルが鳴る可能性は低いのかもしれない。


(8月12日18時30分追記)  

セサミ・ワークショップは12日、Facebookの公式ページ上で「バートとアーニーの嘆願書について」とのコメントを発表。2人は親友であり、改めて「彼らはマペットで、性指向はありません」と結婚の可能性をきっぱりと否定した。



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