“サメに襲われた証拠”を見せたら特製メニューをサービス――米フロリダ州に、そんなキャンペーンを始めた寿司店がある。

この寿司店はフロリダ州ニュースムーナビーチに店を構える、その名も「カイジュウ・スシ」。寿司店とは言っても、それらしいメニューは4.99ドル（約380円）から6.99ドル（約540円）まであるさまざまな種類の巻き寿司がメインで、握りはない。ほかにツナや鮭、梅などを具材とした2.99ドル（約230円）のおにぎりや、天ぷらに枝豆、焼きそばにカレーライスなど、日本で人気の軽食を中心に提供するお店のようだ。

そんな「カイジュウ・スシ」が8月2日、今回のキャンペーンを公式サイトで発表した。その中で、同店は“サメに襲われた証拠”（写真やビデオ、傷跡など）を持参すれば8.99ドル（約700円）相当の「シャーク・アタック・ロール」なる特製巻き寿司を1本プレゼントするとしている。この巻き寿司、中の具には焼いたサメの肉に海藻サラダ、わさびなどが入っており、まさに“食われたら食い返せ”といったコンセプトのようだ。

キャンペーンを始めた経緯について、サイトでは店があるニュースムーナビーチは“サメの襲撃の中心地”と紹介した上で、「カイジュウはこんなの怖くない」とピシャリ。この地は2007年から2008年にかけて、フロリダ大学や米誌フォーブスなどから「北米で最もサメの襲撃があった」と認められたそうで、そこに店を構える「カイジュウ・スシ」では、名前と地域事情を絡めて今回のキャンペーンを仕掛けたようだ。

さすがに700円の「シャーク・アタック・ロール」欲しさに、わざわざサメの餌食になろうという人はいないだろう。しかし先日、早速このサービスを受けた第1号が現れた。

8月9日付の同店のブログには、「地元のサーファーに初めて無料のロールを渡した」とつづられ、笑顔で頬張る若い男性の写真も掲載。彼は2008年4月に、ニュースムーナビーチでサーフィンを楽しんでいるところをサメに襲われ、足にケガをしたそうで、ブログには証拠となる当時のニュース映像の動画も公開している。過去にサメの襲撃を受け、幸運にも元気になった人には、少しばかりの“復讐”ができるサービスと言えるのかもしれない。