自宅のキッチンで原子炉作り、ブログに物資調達の様子や製作過程つづる。

2011/08/05 02:45 Written by Narinari.com編集部

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先日、スウェーデンの31歳男性が自宅の台所で原子炉を製作していたことがわかり、警察に逮捕される一件が起きた。男性はあくまでも個人的な趣味で、原子炉作りを楽しんでいたという。

スウェーデン紙ザ・ローカルによると、原子炉を製作しようとしていたのは同国南西部のエンゲルホルムに住む男性。地元紙の報道として伝えたところでは、男性は学生時代から原子物理学に興味を持っており、今年5月に自ら原子炉を作ろうと、自宅の台所で研究を始めた。男性は自身のブログに製作過程を掲載。5月14日付のエントリーでは「電気を得るためではない」と明言した上で、台所で原子炉が作れるのかを試したいとつづっており、今まで得た知識を実際に自分の目で確かめたくなったようだ。

そして、男性は必要な物質や部品の調達を開始。「いくつかの放射性物質を海外に注文」(ザ・ローカル紙)したほか、家庭用の火災報知機を分解するなどして、原子炉になる部品を用意したという(※収集の様子はブログで物質の説明と共に紹介している)。ブログ自体は5月14日にスタートしているが、男性は半年前から計画を立てていたとされ、入念に準備を進めていたようだ。

5月21日付のエントリーでは、汚れた電気ヒーターの上に煤けたビーカーが置かれている写真を公開。彼の説明では「ラジウムとベリリウムに96%の硫酸を混ぜた」ところ、爆発を起こしたという。彼はこの爆発自体を「そんなに危険ではない」としているが、もし近所にこうした実験を行っている住民がいたら、周囲は不安でたまらないことだろう。

この爆発報告以来、ブログの更新はしばらく止まっているため、その後の具体的な動静は不明だが、今年7月、彼は突然スウェーデンの原子力当局へ問い合わせを行った。「自宅で原子炉を作るのは合法かどうか」をたずねる彼の質問に驚いた当局は、男性に「自宅の放射線を測定するため職員を派遣する」と対応。そして7月20日、警察官と一緒に男性の家を訪ねた当局の職員は、彼の家の中を測定して問題がないことを確認したが、男性は警察官に事情を聞かれると「放射能安全法」違反の容疑で逮捕された。

釈放後の7月22日に男性はブログのエントリーを更新し、当局と警察の訪問の一件を掲載。そこでしっかりお灸を据えられたのか、釈放された男性は「私のプロジェクトはキャンセルになった」と最後に記し、“個人的研究”の終了を宣言している。

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