宝くじにハマる中国の小学生、お小遣いや食事代を使い果たす子供も。

2011/07/21 09:03 Written by Narinari.com編集部

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まさに一攫千金、当たれば人生がガラリと変わるほどの高額賞金を手にできる宝くじ。方式や賞金額は国によってさまざまだが、中国でも宝くじは人気の娯楽のひとつだ。そんな中国では最近、小学生の宝くじ購入が目立つようになり、保護者や教師を悩ませている。中には小遣いや食事代を宝くじに“突っ込んでいる”生徒もいるというから深刻だ。

重慶市の小学校に通う子どもを持つ劉さんは先日、「子どもの学校カバンの中から数枚の宝くじを発見しました」(中国紙重慶晨報より)と語る。なぜ宝くじを持っているのか、子どもに問い質したところ「近くの商店で買った」「クラスの友だちの多くが宝くじを購入している」と答えたという。また、同市の小学校で国語教師を務める楊さんも「授業中に宝くじの連番を必死に考えている生徒がいました」(同)と語り、今や小学生の宝くじ購入は珍しいことではないそうだ。

同市の小学校で宝くじ購入が流行している原因のひとつは、学校周辺に購入できる商店が数多く存在していること。また、中国の法律「彩票管理条例」では、未成年者への宝くじ販売を禁止しているが、店側はこの規制の遵守意識が低く、子どもでも簡単に購入できてしまう現状がある。さらに生徒の保護者の中には熱烈な宝くじファンもいるため、父親や母親が宝くじで一喜一憂している姿に子どもたちが影響されているという事情もあるそうだ。

小学生の間で宝くじブームが広がることで、保護者や教師が心配しているのは勉学への悪影響。生徒の中には授業中も必死に番号の予想をしている生徒や、予想屋のような“仕事”を請け負うプロ顔負けの生徒もおり、そうした生徒には成績低下の傾向が見られることも珍しくないという。また、親からもらった昼食代や小遣いを宝くじで使い果たしてしまう生徒もいるため、単なる“子どものお遊び”として済ますわけにはいかない状況だ。

こうした事態を受け、地元政府は昨年から積極的に法整備を進めており、宝くじの違法販売店の取り締まりを強化しているが、現在のところまだ飛躍的に状況が改善しているわけではない。そのため政府関係者は、保護者に子どもの手本となるような生活態度を心がけるよう、期待を寄せている。

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