14年前他界の孫から手紙届く、将来の夢をつづった内容に家族は涙。

2011/07/13 13:23 Written by Narinari.com編集部

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先日、カナダで暮らす女性のもとに、2010年バンクーバー五輪の記念切手が貼られた大きな茶封筒が届いた。封筒の中には1枚の手紙。それを読んだ女性は、驚きを隠せなかったという。なぜなら手紙の主は、14年前に不慮の事故でこの世を去った孫だったからだ。手紙は“将来の自分”についてをしたため、自分に宛てたもので、命日を前に届けられた手紙に家族は「神からの贈り物」と喜び、誰とも分からぬ差出人に感謝しているという。          

カナダ地方紙レジャイナ・リーダーポストによると、サスカチュワン州ビュービアーで暮らすシャロン・ソリーさんのもとにこの手紙が届いたのは6月9日のこと。手紙の宛先はソリーさんの私書箱の番号になっていたものの、宛名には「デイビッド・バーサー」という名前が書かれていた。このデイビッドさんなる人物はソリーさんの孫で、以前は200キロ以上離れた土地で生活。しかし14年前の6月13日、脳性麻痺を患い若干足が不自由だったという彼は、湖に出かけた際に溺れてしまい、17歳の若さでこの世を去っていた。

命日を前に、なぜかソリ―さん宅に届いた彼宛の不思議な封筒。さらに中を開けて手紙を読んだソリーさんは、その内容を目にしてびっくりした。「Dear myself(自分自身へ)」と始まる手紙の冒頭には「1995年3月15日水曜日」との日付も。彼が亡くなる2年前に書かれたらしいその手紙には、まるで当時の心境を包み隠さず記したかのような、自己紹介調の文章がつづられていた。

自分を「おかしくてナイス」「とても勇敢」と評する当時15歳の彼。「ギターとドラムを演奏するのが得意」で「友だちや家族といるのが楽しい」などと、素直な心の内を存分につづっている。さらに「来年には運転免許を取得して、夏のアルバイトを見つける」と意気込みを見せると、将来は自分で何かできるよう「高校を卒業して、大学も考えている」との思いも巡らせていた。

「確かに彼が書いたもの」とわかったソリーさんは、驚きながらも、誰がこの手紙を出したのかと差出人を探ったそう。最初は郵便局が“配達不能”として長期間保管していたのではないかと考えたものの、2年前に販売された切手が貼られていたこの封筒に、その可能性はないと郵便局は否定。ならばと郵便局員に事情を説明し、差出人を辿れないかとたずねたが、残念ながら消印が薄くなっており、それも難しいと言われたという。

しかし差出人は誰であれ、思いがけず現れた孫の新たな思い出を手に入れたソリーさんは、米国に引っ越した娘で、彼の母でもあるキャンディーさんなど家族に連絡。在りし日の姿を蘇らせる手紙を涙ながらに読んだという家族は、その内容から「タイムカプセルのような」学校の課題だったのではないかと推測しているそうだ。

改めてデイビッドさんの存在を噛みしめ、特別な命日を迎えた家族は「送ってくれた人に感謝したい」と話し、この手紙を永遠に大切にすると話しているという。

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