“羽根のない扇風機”の模倣横行、完成度の低さに中国ではクレームも。

2011/07/06 13:40 Written by Narinari.com編集部

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2009年10月に英ダイソンが発表した“羽根のない扇風機”こと「エアマルチプライアー」。2010年のグッドデザイン大賞を受賞するなど、画期的な製品として世界中から注目を浴びた扇風機だが、ここに来て数多くの中国メーカーが格安の模倣品を発売しており、中国の購入者や購入予定者からは「安いならこれで十分」「買っても問題ないのか?」「保証がないので安心できない」など、さまざまな声が挙がっている。

中国のオンラインマーケットのアリババやタオバオで“羽根のない扇風機”を検索すると、「エアマルチプライアー」と似た製品がズラリと並ぶ。出品しているのは中国系のメーカー。ダイソンの「エアマルチプライアー」は安いモデルだと4万円前後で購入できるが、アリババやタオバオに掲載されている模倣品は200元(約2,600円)前後からあり、中には100元(約1,300円)以下で購入できる格安品もある。

しかも、中国メーカーは単純に「エアマルチプライアー」を真似しているだけではない。ダイソンの正規品と見た目がほぼ変わらない製品のほかに、小型化や多機能化を実現している製品も見られる。例えば、ある製品は正規品にはないUSB端子、ランプ、アロマオイルホルダーなどを採用して差別化。“羽根のない扇風機”プラスアルファの機能と圧倒的な安さで勝負をかけている。

しかし、中国の販売サイトでは購入者の一部から「ダイソンよりも材質が悪い」「モーター音が超うるさい」といったクレームが出ている製品も多く、販売サイトなどの商品説明に見られる「ダイソンと同等品」という売り文句には疑問符がつく。

こうした中国製の模倣品は日本でもすでに数多く出回っており、ヤフーオークションで「エアマルチプライアー」を検索すると数百件がヒット。落札価格は8,000円前後で、ダイソンの製品に比べると破格で入手できる状況だ。

気になるのはこれら中国メーカーの“羽根のない扇風機”が、特許侵害や不正競争防止法などに抵触するかどうかという点。仮に日本でダイソン製以外の“羽根のない扇風機”を販売する場合、特許侵害や不正競争防止法以外にも実用新案、意匠、商標などについても調査しなければならず、極めて複雑だ。実際、ダイソンは中国で模倣品を販売している企業3社に対してすでに訴訟を起こしており、“危ない製品”なのは否めないところだろう。

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