動物愛護精神がとても強い英国では、「RSPCA」（王立動物虐待防止協会）などの非営利団体が活躍していますが、先日、この団体に保護されたネコが話題を呼んでいます。

RSPCAの公式サイトや英紙デイリー・メールなどによると、英ウエスト・ミッドランズ州オールドベリーという街の住民が、先日、RSPCAに助けを求めてきました。12階建てアパートの3階に住むこの女性は、開いていた自室の窓に動物らしき物体が落ちて来て衝突したのを目撃。急いで外に駆け出してみると、地面に口から血を流して動かないネコがいたというのです。

「死んでしまうかもしれない」と恐れた女性はすぐにRSPCAに通報。同団体からやって来たスージー・ベイリーさんが引き取りにやってきました。

「（ケガの状態から）12階から落とされたと推測されます。誰かがわざと投げ落とした可能性も少なくありません」

あまりの非情さに驚いたベイリーさんですが、すぐさま動物病院へこのネコを連れて行きました。怖がるネコをなだめつつ診察をした医師らは、このネコがどれだけラッキーだったかを知ることになります。最初は動けなかったものの、折れていたのは歯のみで、その後どんどん元気になっていたそうです。

普通に考えれば死んでしまってもおかしくないほどの転落から、奇跡的に助かったこのメスネコは「エベレスト」と名付けられ、現在はRSPCAが手厚く世話をしています。発見時には首輪をしていたところから、誰かの飼い猫だと見られていますが、残念ながらまだ彼女の飼い主が誰なのか、そして誰が彼女を上から突き落としたのか、何も判っていない状況です。

RSPCAはこれからも広く情報を募っていくそうですが、エベレストちゃんには今後、危険に巻き込まれることなく、平穏な日々が続くことを祈りたいですね。