羊の頭突きのおかげで命拾い、胸にできたあざがきっかけで乳がんを発見。

2011/06/16 15:28 Written by Narinari.com編集部

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英国に、羊に“命を助けられた”と考えている女性がいる。農場を営むこの女性はある日、普段は大人しかった羊から突然胸に頭突きを受け、その数日後にあざが現れた。すると、あざの付近に小さなしこりがあることに気が付き、病院で検査を行うと早期の乳がんを発見。近日中に手術を受ける予定の女性は「羊が命を救ってくれた」と感謝しているという。

英地方紙スウィンドン・アドバタイザーなどによると、この女性は英南部のウートン・バセットに住む41歳のエマ・ターナーさん。そして彼女を救ったのは、営んでいる農場で飼われている5歳のオス、アルフィーという名の羊だ。生まれたときからこの農場で過ごすアルフィーは、出産時に母親を亡くした上に、体が弱かったそう。生後18か月間はずっと病気がちで、命を落とす危険が常に付きまとったアルフィーだったが、ターナーさんが献身的な世話を続けた甲斐あって現在はすっかり元気になり、観光客からも人気を集めているそうだ。

すっかりターナーさんに信頼を寄せているかのように、「普段は本当に行儀良く振る舞う」と言われるほど大人しいアルフィー。そんな彼がおかしな行動を見せたのは、昨年10月のことだった。その日、農場で羊に与える薬を運んでいたターナーさんに、大人しいはずのアルフィーが突進。「気が狂った」ように、彼女の胸に頭突きを繰り返したそうだ。その様子は、ターナーさんが「獣医に連れて行かなきゃいけないかも」と心配するほどで、アルフィーは3人がかりでようやく抑え込めたほどの暴れようだった。

数日後、彼女の胸にはアルフィーの頭突きによってできたあざができていた。しかしその様子を調べていたターナーさんは、あざの真ん中に小さなしこりがあるのを発見。これを怪しんだ彼女は、すぐにスウィンドンにある病院へ向かい、あざの治療と共にしこりの検査を行う。すると、そのしこりは早期の乳がんと判明。その小ささに、医者と看護師からは「アルフィーが頭突きをしなければ、まだ数年は見つけられなかっただろう」と言われたそうで、彼女や病院関係者は誰もが「アルフィーが人生を救った」と信じているらしい。

かくして乳がんを早期に発見できたターナーさんは、今年4月までの4か月間にわたって化学療法に臨み、6月17日に乳房の切除手術を受ける予定だという。また、この話は周辺の市民にも広まると、飼い主を救った英雄となったアルフィーは人気者にとなり、6月13日に行われた農場の一般公開日にはアルフィー目当てに多くの客が訪れた。そして、Facebook上にはアルフィーのファンページまでも作られている。

そんなアルフィーに、ターナーさんは「アルフィーは賢いのよ、だって私の命を救ったんだから」と話し、さらに彼への愛情を深めた様子だ。

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