警察が盗難車を6年乗り競売に、元の所有者は“返却”叶わず怒り心頭。

2011/06/14 13:17 Written by Narinari.com編集部

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盗難被害に遭った車が、持ち主のもとに二度と戻らないという話はしばしば聞かれるが、中国では先日、10年前に盗まれた車と対面を果たしながらも、取り返すことができないオーナーが話題を呼んだ。どうやら警察のずさんな捜査や対応が事態をややこしくしてしまったという。

中国紙東方今報などによると、騒動の発端は2001年まで遡る。河南省洛陽市に住む張治平さんの所有するミニバンが盗まれたことがすべての始まりだ。このとき、愛車が盗まれたと知った張さんはすぐに地元警察へ届け出たが、確実な目撃情報は得られず、以来10年近く張さんのもとに愛車が戻ってくることはなかった。

事態が進展したのは昨年3月のこと。河南省の長葛市にある警察から張さんの愛車と思しきミニバンが発見されたとの連絡が入る。長葛市の警察が車検を行った際、張さんの愛車と同じエンジン番号のミニバンが確認されたためだ。しかし、この知らせに張さんが大喜びしたのはほんの一瞬だった。新しいミニバンの持ち主は“返却”を頑なに拒否。持ち主によれば、このミニバンは河南省の新密市当局が行ったオークションで正式に購入したものらしく、購入の際に市が発行した関係資料も保持していた。

こうなると、わけがわからないのは張さんだけではない。長葛市の警察も「現在の持ち主が合法的手段で車を入手している以上、私たちにはどうすることもできません」とお手上げ。しかし、張さんからしてみれば、かつて盗難に遭った自分の愛車を前にしてみすみすあきらめるわけにもいかない。長葛市の警察に調査を継続するよう頼み、どうしてこのような事態に陥ったのか明らかにしようとした。

そして調査が進むにつれて明らかになったのは、張さんを唖然とさせるような事実の数々。張さんのミニバンは2002年時点ですでに新密市の警察によって発見されていた。しかし、ミニバンのナンバープレートはすでに取り外されていたため、人民警察は「所有者なし」と判断。ミニバンは新密市の警察が保管することになった。すると、今度は新密市の警察が15,000元(約18万5,000円)でミニバンを所轄の派出所に“転売”。派出所は6年間ミニバンを使い回した挙句、2007年8月に市のオークションを通じてミニバンを販売してしまった。現在のミニバンの持ち主はそのときにきちんとした手段で購入したのだという。

もちろん、警察のすざんな捜査が発端となっている今回の騒動に、張さんは「長葛市の警察が持ち主を探し当てたのに、なぜ新密市の警察は見つけられなかったんだ!」と怒り心頭。また、長葛市の警察関係者も「今回の一件は明らかに新密市の警察のミス」と述べているというが、ミニバンは依然として張さんのもとに戻っていないというのだから、何ともいたたまれない出来事だ。

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