「母の姿見て発明」で13歳が大金、ケータイと連動するドアフォン開発。

2011/06/09 01:48 Written by Narinari.com編集部

このエントリーをはてなブックマークに追加


不用心にドアの鍵を開けていても、それほど不安を感じなかったのはもう過去の話。隣近所との繋がりも薄くなり、さまざまな訪問詐欺や悪質な勧誘の話も聞こえてくる昨今では、家に居ても鍵を閉める家庭が多くなった。カメラ付きドアフォンの利用が一般的になったのも、できるだけ不審者を招き入れないための警戒心が社会に広がっているから。日本ではさらに技術が進み、ケータイと繋げて外出先から映像や通話ができるタイプのモノも販売されているが、英国では13歳の少年が同様のドアフォンを開発。これが通信企業や家電量販店からの大量注文に繋がり、少年は25万ポンド(約3,300万円)もの利益を得る見込みだという。

英紙デイリー・メールやメトロなどによると、この「スマートベル」なるドアフォンを開発したのは、ロンドンにほど近いホワイトリーフェで暮らす13歳の少年、ローレンス・ルークくん。彼が通う学校は生徒たちによる発明品コンテストを行っており、ルークくんはこのコンテストに出す発明品を考えているときに今回のアイデアを思い付いたという。そのきっかけは、留守中に配達物が届くたびに母親が「うんざりしながら郵便局に行く」姿。この負担を少しでも減らしたいと、彼は「スマートベル」の仕組みを発案した。

ところが、アイデアを思いついたまでは良かったが、「スマートベル」の試作品を作ることが出来ず、結局学校のコンテストにも参加できなかったそうだ。すると、彼のアイデアを知った両親が助け船を出した。彼の両親にはポーラ・ワードさんという友人がいたのが幸い。ワードさんは以前、チャットを利用する子どもを持つ親向けに、不審と思われる回線を登録して遮断する装置を開発。これで2003年に英国で“ベストインベンター”の称号を獲得したほか、2004年には米国でも表彰を受けるなど、英国でも名の知れた発明家だったのだ。

そんなワードさんも彼のアイデアに「素晴らしい」と感銘を受けると、すぐに中国へデザインを送って製品化を手配。ワードさんの経験に従って、英通信機器企業最大手のコムテル・イノベートに売り込みを図ると、2万セットの受注に成功したという。さらに、現在は家電量販店やパソコン専門店からの受注も舞い込んでいる状況で、これらの取引が成立すれば、ルークくんは13歳にして25万ポンドもの収入を得る見込みだそうだ。

気になる「スマートベル」の性能はというと、見た目は普通のドアフォンと大差なし。外出時などに来客がベルを押すと、10秒でケータイを鳴らして通話が可能になる仕組みで、宅配便の配達などならそのまま指示することも可能だ。また、直接声をやり取りできることで空き巣などの犯罪抑止効果も期待され、普通のドアフォンと同様の声に聞こえるよう少しだけホワイトノイズをのせることで、訪問者に家が留守だと思わせない工夫も施しているという。

「スマートベル」にはカメラが付いていないため、機能は声のやり取りのみに限定されるが、値段は40ポンド(約5,200円)と、日本のカメラ付きドアフォンに比べればかなり安め。それだけに需要もかなり期待できる点が各方面からの大量受注に繋がっているのかもしれない。

13歳で大金を呼びこむ発明品を思い付いたルークくんは、25万ポンドという金額を聞いたときは「たくさんゲームが買える」と喜んだそうだが、今はしっかり冷静に受け止めている様子。「大学に行きたいから、お金を節約して進学のために使いたい」と話す彼を、両親も本当に素晴らしい息子だと喜んでいるに違いない。

TOPへ戻る
このエントリーをはてなブックマークに追加

Copyright © Narinari.com. All rights reserved.