閉鎖危機の娘の学校を父が買収、教育環境に惚れ込み自らオーナーに。

2011/06/05 13:22 Written by Narinari.com編集部

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英南部ウィルトシャー州セエンド・クリ―ブで暮らす実業家のマット・ヒルさんは、2か月前から、3歳の娘オリビアちゃんを近くの街ポッターンにある私立学校に通わせていた。ところが、この学校が7月に突然廃校となることを聞かされ大慌て。教育環境に満足していた彼は廃校阻止にすぐさま動き、100万ポンド(1億3,400万円)で学校の経営権を取得。自らオーナーとなって存続に繋げたという。

英紙デイリー・メールや英放送局BBCなどによると、この学校は全校生徒が「65人」(英放送局BBCより)という小さな学校。しかし、1958年に設立された学校を見学に訪れた際、ヒルさん夫妻は素朴な環境に「恋に落ちた」と表現するほど惚れ込んだそうで、オリビアちゃんを入学させたことをヒルさん夫婦は大いに満足していた。

ところが5月9日、ヒルさんを驚かせる事実が学校から知らされる。18年間この学校を所有していた経営者が、突然今年の7月で学校を閉めると発表したからだ。せっかく気に入って娘を入れた学校がすぐに廃校になるというまさかの事態に直面し、ヒルさんはショックを受けてしまった。彼のように、学校を愛して子どもを入学させた親はほかにも少なからずいたようで、何人かの親たちは「存続させる方法を検討」する話し合いを持ったそうだが、決して見通しは明るくなかったようだ。

そこでヒルさんは、自ら学校を存続させるべく行動に出る。現在「成人向けの教育事業」(BBC)を行う会社を経営しているヒルさんは、経営パートナーのデイブ・スタンリーさんに学校の買収を相談。彼の同意を取り付けると、ヒルさんらは学校の経営者に対し100万ポンドで買収したいと申し出た。生徒やスタッフはもちろんそのまま残した上、ヒルさんの会社が行う事業に休みや放課後の学校を活用するプランを立て、経営の安定化を図る具体策をまとめた上での提案だった。

このヒルさんらのアクションには生徒や親たちだけでなく、廃校の決定に心を痛めていた学校関係者たちも大喜び。「保護者に手紙を送った日は辛かった」(スモールワールド・ニュースサービスより)というシルビア・パリー教頭も、存続が決定したときには心から喜んだという。

一方、学校の危機を救ったヒルさんは、早くも学校経営の今後に向けてやる気満々。「非常に刺激的な機会」と話す彼は、これまでに培った経営知識も活かしながら、オリビアちゃんの学校をより盛り上げようと張り切っているようだ。

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