“死者が木に変わる”骨壺考案、生物分解される素材でそのまま土に帰る。

2011/05/13 14:31 Written by Narinari.com編集部

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亡くなった人の存在を身近なところで感じていたい。そんな遺族の想いを汲むことができるかもしれない、ひとつの可能性を示す骨壺をスペインのデザイナーが考案した。この骨壺、植物性の成分で作られており、土に埋めるといずれ生物分解されるそう。故人の遺灰は骨壺と一緒に土に帰ると伴に、そこに木の種も収めることで、やがて生える木に故人を重ね合わせて偲ぶことができるという。

デザイナーの公式サイトや米ブログサイト「Big Think」によると、この骨壺を制作したのは、スペインのバルセロナを拠点に活動しているデザイナーのマルティン・アスアさん。バルセロナ大学で学んだ彼は芸術作品の制作活動だけに留まらず、メーカーのインテリアやペットボトル容器のデザインにも関わるなど、幅広い分野で活躍している。そんなアスアさんが考えた骨壷が「Bios Urn(※Urnは骨壺のこと)」だ。

もともと“自然”を取り入れたデザインを得意とする彼が制作した骨壺は、一見、細長い大きな紙コップのような形をしている。公式サイトの説明によると、容器自体はココナッツの殻から作られているそうで、中には泥炭とセルロースで満たされている状態。そして、中央部に用意されたくぼみに遺灰と木の種を収めるそうだ。

これをそのまま土の中に埋めれば、ココナッツの殻でできた容器もいずれは土へと帰り、埋めた場所から木が生えてくるという仕組み。壺の購入者は一緒に埋める木の種を選択可能で、故人の好みや埋める場所のスペースに合わせて検討できるので安心だ。

この世に遺された人々が故人を偲ぶ気持ちを抱くのは当然だが、そこに目に見える“シンボル”が加われば、故人への想いは一層強く、深いものになることだろう。また、自分の死後、どのような形で家族などと関わっていきたいかを考える意味でも、「Bios Urn」は良いきっかけになるかもしれない。

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