ニューヨークからロサンゼルスまで、男性2人と運転手の米横断タクシー旅。

2011/05/05 14:13 Written by Narinari.com編集部

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バングラデシュ出身で、現在、タクシー運転手をしている41歳のモハメド・アラムさんは先日、ニューヨークのラガーディア空港で客待ちをしていた。しばらくして男性客2人が乗り込んで来たのだが、彼らが指示したのは「ロサンゼルスまで行ってください」。ここから東海岸→西海岸の4,500キロ以上もの旅が始まった。

ニューヨークからロサンゼルスまで。普通に考えれば飛行機で行くべき距離だけに、アラムさんは男性2人が本気かどうかを確認したという。さらに「間違いないですね? 良いんですよね?」(米放送局NBC系列WHDH-TVより)と念を押して確認を重ね、ロサンゼルス行きを覚悟したアラムさんは、男性たちの了解を得て自宅に服を取りに寄り、そのまま米大陸横断に向けてタクシーを走らせるハメとなった。

米紙ニューヨーク・ポストや米放送局CBSなどによると、アラムさんのタクシーを拾ったのは、ニューヨークの銀行に勤務する31歳のジョン・ベリツキーさんと、教授の肩書きを持つという友人のダン・ウェベンさん。ウェベンさんの誕生日を祝ったベリツキーさんが、「なんか楽しくてすっげーことやろうぜ!」と提案し、気分が乗った2人が考えたのがこの計画だった。

「そんなの引き受けてくれるドライバーなんていないだろう」(米放送局CBSニューヨークより)と話すベリツキーさんの父の声を背に、家を飛び出した2人。まず家の前でタクシーをつかまえると、運転手に計画を話し、実際に行ってくれる運転手を無線で捜してもらった。そこに名乗りを挙げたのがアラムさんだ。2人はまず、アラムさんが待つラガーディア空港へと向かい、すぐさまロサンゼルス行きを交渉。メーターを倒すと1万7,000ドル(約140万円)はかかると言われる料金を、前金で5,000ドル(約40万円)払うことで合意に達した。

仕事とはいえ、ドライバーのアラムさんには家族もいるから大変だ。1度立ち寄った自宅では、まさかの西海岸行きに、家族からは「No!」と泣かれたという。ただ、本人はこの米大陸横断の旅に乗り気だったようで、「バングラデシュから来た私は、ユニバーサルスタジオに行くのが若い頃からの夢だったんだ」(CBSニューヨークより)と、遠く離れたロサンゼルスを見つめている。

出発翌日にはシカゴに到着し、その後も順調に旅を続けてグランドキャニオンなどの名所を楽しみながらロサンゼルスへ向かった3人。しかし、これだけの陸路の移動、気になるのは帰りはどうするのかだ。2人がアラムさんと合意したのはロサンゼルスまでの片道のみで、アラムさんはロサンゼルスに住む友人の助けを借りて、運転を交代してもらいながらニューヨークに戻る予定とのこと。一方、2人の帰路については、思い付きで出発しただけにまだ決まっていないそうだ。

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