スクーターの後ろで快適生活、世界最小のキャンピングトレーラー発売。

2011/04/22 14:43 Written by Narinari.com編集部

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どこへ出かけても自分たちの空間でゆっくり休めるキャンピングカー。一般に設備を車自体に備えたものはキャンピングカー、乗り物に牽引されるタイプのものはキャンピングトレーラーと区別される。多くのキャンピングカーの場合、ゆったりしたスペースを確保しようとするとどうしても大型化するものだが、英国の環境と交通を考える団体はそうした概念を覆した“世界最小のキャンピングトレーラー”を開発。高齢者の利用が多い電動スクーターで牽引するこのトレーラーは「スーパーマーケットの中も走れるほどコンパクト」だそうで、4月18日から注文の受付が始まった。

このトレーラーは、英国の団体「Environmental Transport Association(ETA)」が開発した「QTvan」。ETAは「輸送がもたらす環境への影響についての認識を広める」(ETA公式サイトより)ことを目的に1990年に設立された団体で、世界で販売される自動車の環境対策度審査なども行っている。また、「個人や団体旅行にポジティブな変化がもたらされるよう援助する」という目的から、これまでに24金製自転車など、環境に配慮しながら注目を浴びるような製品を開発してきた。

そして今回開発したのが、電動スクーターで牽引できるキャンピングトレーラー「QTvan」だ。ETAは、高齢者を中心に英国の電動スクーター人口が22万人に達している点に着目し、こうした人たちが手軽に旅行へ出かけられるようなものを作りたかったとコンセプトを説明。4月29日には、英皇太子のウィリアム王子とケイト・ミドルトンさんのロイヤル・ウェディングが迫っていることもあり、ETAでは「最高のポイントで見ようと思っている高齢者」にぜひ買って欲しいと宣伝している。環境に優しく、コンパクトなトレーラーが多くの人に利用されることに期待を寄せているようだ。

気になるトレーラーの大きさは長さ2メートル幅75センチで、備え付けのベッドに大人1人がなんとか横になれるほどのスペース。その小ささから、「スーパーマーケットの中も走れるほどコンパクト」とこじんまりとしたサイズを強調しているが、その分、高さと工夫で中の空間は充実している。暖房設備はもちろん、19インチのテレビにラジオ、目覚まし時計のほかキャビネットも。これらは充電池以外に屋根に搭載した太陽電池パネルも使って動かされ、快適に過ごせる空間作りに仕上げているようだ。

気になる価格は1台5,500ポンド(約75万円)とそれなりのお値段だが、一般的なキャンピングカーと比較すればかなりお手頃だ。

電動スクーター利用者に対象を絞ったETAの戦略が吉と出るか凶と出るかは楽しみなところだが、環境に優しく、手軽に近場のキャンプなどへ出かけるには悪くなさそうな製品。果たして団体の宣伝通りに、「QTvan」を利用してロンドンに駆けつける人がいるのかどうか、ロイヤル・ウェディング当日のもう1つの楽しみとなるかもしれない。

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