遅すぎるNYバスと三輪車が対決、勝手にスタートしたレースの勝者は?

2011/04/12 19:58 Written by Narinari.com編集部

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どの地域でも重要な公共交通手段として、多くの人に利用されているバス。しかし、目的地までの所要時間などが道路事情に大きく左右されてしまうため、定刻通りの運行されないとイラッとしてしまう人もいるかもしれない。そうした状況は、特に車が多く走る都市部で顕著に現れるもの。米国が誇る大都市ニューヨークでも、バスの遅さに対する不満は市民の間で少なからず持たれているようだが、それを逆手にとって、あるコメディアンは三輪車とバスによる“1マイルのスピード競争”を勝手に実施した。その様子が米国の動画配信サイトで公開され話題を呼んでいる。

このアイデアを実行したのは、過去に「1日で171店舗のスターバックスを訪問」(米ブログメディアGothamistより)など、変わった挑戦を行った経験もあるコメディアンのマーク・マルコフさん。「この街のバスはあまりに遅すぎるので、自分はほとんどバスを使わない」と語る彼は、「Big Wheels」と呼ばれる前輪の大きな三輪車に乗ってバスにスピード競争を挑むアイデアを発案し、2月17日に決行した。

その様子を収めた動画は、米動画配信サイト「My Damn Channel」に4月6日付けで公開された「Big Wheel Vs. Bus」(//www.mydamnchannel.com/Mark_Malkoff/Big_Wheel_vs__Bus/BigWheelVsBus_6922.aspx)で見ることができる。彼は「平均時速3.6マイル(約5.8キロ)」で走る“ニューヨークで最も遅い”M42系統バスを対戦相手に決定すると、1週間にわたって実際にバスへ乗車して研究を重ねたそう。「速く走るときもあるけど、ほとんどが遅い」と改めて感じたマルコフさんは、Amazon.comでレースに使う三輪車を82ドル(約6,900円)で購入し、レースに向けて速く走る特訓を重ねた。

そして迎えた本番当日、彼が勝手に決めた競争場所は、マンハッタン島を東西に走る42番通り上の10番街交差点からマディソン街交差点までの1マイル(約1.6キロ)。レースを前に、対決でどちらが勝つかを市民に予想してもらうと、意外にも「Big Wheels」とする人がやや優勢で、彼らもバスの相当な遅さを日頃から実感しているらしい。ともあれ、身長約170センチのマルコフさんがヘルメットと安全用ベストを着用して道路上で三輪車にまたがると、午後1時18分、信号が青に変わったのを合図に、バスと一緒にスタートを切った。

圧倒的に快調な滑り出しを見せたのはバスのほうだ。対するマルコフさんは「やるぞ、やるぞ」と大きな声を出して必死にその後を追う。その姿に、街を行く人たちの中には怪訝そうな表情を浮かべたり、笑い声を上げる人も。ただ1つ、「警察がどう考えるかは心配だった」(米紙ニューヨーク・デイリーニュースより)と懸念を抱いていたマルコフさんは、交通ルールも充分考えて行動し、その結果、レース中に見かけた警察官は「少し笑ってたよ」と、懸念は杞憂に終わったようだ。

レースはスタート3分後にあっさりとバスに追いつき、「バスをやっつけてやる」と声を出しながら渋滞にはまる車を横目に疾走し続けると、12分42秒のタイムでマディソン街交差点のゴールに先着。遅れること約2分、バスは1マイルの距離を14分20秒かかってようやく通り過ぎていった。

こうして彼は「ニューヨークのバスは三輪車よりも遅い」と身を持って証明。その栄誉は、しっかりと足に「強烈な痛み」(Gothamistより)として刻まれたという。

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