米女性の手作り“等身大バービー”、制作に込められた真剣な思いとは。

2011/04/11 11:47 Written by Narinari.com編集部

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ガリーア・スライェンさんの自宅のクローゼットには、等身大のバービー人形が保管されてます。しかもそれは彼女が高校時代に手作りしたもの。でも、彼女はバービー人形が大好きだから、これを作ったわけではありません。実はもっと深刻な理由があり、その経験を人々に知ってもらうためなのです。

米ニュースサイトのハフィントン・ポストによると、ニューヨーク州のハミルトン・カレッジで政治学と中国語を専攻するガリーアさんは、高校時代に拒食症で苦しんでいました。チアリーダーとして活動していた彼女ですが「(ティーンエイジャーにありがちな)特定の容姿をして、特定の言動をしなければ、というプレッシャー」に耐えられなくなくなっていたそうです。

「なぜ、欧米の女性は『細くなければ美しくない』という認識に縛られているのだろう」。そう疑問に思ったガリーアさんは、ふと子どもの頃から遊んでいたバービー人形に注目しました。スレンダーなスタイルのバービー。実際にこんなスタイルをした女性がいたら、スリーサイズはどんな数字になるのだろう。そう疑問に感じた彼女は、計算してみることにしたのです。

するとバービーを5フィート9インチ(175センチ)と仮定した場合、バストは39インチ(99センチ)、ウエストは18インチ(45センチ)、ヒップは33インチ(83センチ)という、「女性的だけど、とても現実的ではないプロポーション」であることが判明。ガリーアさんはこの事実に「子どもの頃から親しんでいる人形から、こうした非現実的なボディーイメージを刷り込まれているのも、欧米の若い女性の間で拒食症が多い理由になっているのではないか」と考え、もっと判りやすく、ビジュアルで人々に訴えたいとして、等身大のバービー人形の作成にとりかかったのでした。

木材、針金、新聞紙などを材料にした等身大バービーは、「National Eating Disorder Awareness Week(全米拒食症認識週間)」に彼女の高校で展示され、次のようなバービー人形にまつわるトリビア(マーゴ・メイン著「Body Wars」からの引用)も併せて紹介されました。

「バービー人形は、全世界で1秒に1体のスピードで販売されている」
「バービー人形の消費者ターゲットは3〜12歳の少女」
「実際にバービー体型の女性がいるしたら、上半身の重心が重すぎてしまうため、彼女は四つん這いで歩かないといけない」
「バービー自身は、自分の体型を『ぽっちゃり』と思っているそうで、理想は110ポンド(49キロ)である」

ちなみに、175センチで49キロとなるとBMIが16.24となり、拒食症と認定される「痩せ体型」になります。

ガリーアさんは大学に進んだあとも、毎年2月になるとこの等身大バービーの展示を行っているそう。私たちに植え付けられた間違ったボディー・イメージに少しでも気が付いてもらい、それが拒食症の防止に繋がれば。そんな願いが込められているそうです。 

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