人生最後の願いは「妻に指輪を」、周囲の協力で97歳男性の想い実る。

2011/04/07 13:21 Written by Narinari.com編集部

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左手の薬指に光るダイヤモンドの指輪。それを眺めていたベティー・ポッターさん(86歳)は、ささやくように「素敵だわ、本当にきれいね」と喜びの言葉を口にし続けていたそうです。

米放送局WHDHや米紙ボストン・グローブなどによると、マサチューセッツ州に住むペティーさんと夫のエヴェレットさん(97歳)が結婚したのは、今から65年も前のこと。エヴェレットさんは彼女にプロポーズした当時、経済的な理由によりダイヤモンドの指輪を贈ることができませんでした。「それがずっと気がかりで、後悔していたのです」。

しかし先日、彼は念願だった妻へのプレゼントを渡すことができました。その陰には、彼らの住む養護センターや医療施設、宝石店などが一体となった協力があったのです。

まず、養護施設が夫妻のために「2度目の結婚式」を計画し、会場を確保。そして、車での移動も体に負担となってしまうため、救急車の運営会社(※米国の救急車はほぼ私営)が送迎を手伝い、さらにある宝石店はダイヤモンドの指輪のみならず、新しい結婚指輪、ブーケやシャンパンなども格安で提供しました。

これらの資金はホスピス施設が負担。そう、夫のエヴェレットさんは健康の衰えから、最近ターミナルケア(終末期ケア)を受けているのです。そこで「人生最後の願いは?」と聞かれた際に、迷わずベティーさんへの指輪のプレゼントと回答。これに周囲が協力して、“最後の願い”を実現させる手はずを整えました。

念願のダイヤモンドのプレゼントのみならず、もう一度結婚式まで行うことができると知ったエヴェレットさんは、披露宴の食事のメニューなど細かい準備にも参加。そして迎えた当日、ベティーさんの幸せそうな姿を見ることができた彼は、「なんて幸せなんだ」と、心から喜んでいたそうです。

人を笑わせるのが好きで、ロマンチックでもあるというエヴェレットさん。結婚式での誓いの言葉はこう結んでいます。

「ちゃんと歯が揃っていれば、もっとちゃんと言えるんだけどね……。でも、一生愛しているよ」

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