サッカー競技場にMJ像で波紋、サポーター反発にオーナー「地獄へ堕ちろ」。

2011/04/06 20:05 Written by Narinari.com編集部

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世界中に衝撃を与えた死からもうすぐ2年、いまだ多くのファンに愛され続けているマイケル・ジャクソン。そんな彼を巡るちょっとした論争が、英国のプロサッカークラブで起きている。マイケルと親交の深かったオーナーが「彼はチームを愛していた」として、このほどホームスタジアムに大きなマイケル像を建設。これにサポーターの一部から「サッカーに関係ないだろ」と反発の声が上がると、オーナーは「地獄へ堕ちろ」と応酬し、波紋を広げている。

この騒動で注目を集めているのは、ロンドンに本拠を置く英プレミアリーグ・フルハムのオーナー、モハメド・アルファイド氏。以前、元日本代表の稲本潤一選手(現川崎フロンターレ)が所属していたこの名門チームのオーナーは、昨年まで英国の高級百貨店「ハロッズ」の経営者でもあった敏腕の実業家だ。また、1997年にパリで自動車事故に遭い、ダイアナ元妃と共に亡くなった当時の恋人ドディ・アルファイド氏の父親としても知られている。

そんなセレブな個人オーナーは、生前のマイケルと深い親交があったそうで、以前から彼の像を建設する計画を温めていた。英紙デイリー・メールによると、アルファイド氏は当初、このマイケル像を「ハロッズに置くつもりだった」そうだが、昨年「ハロッズ」はカタール政府系の投資ファンドに売却したため、このプランは宙に浮いた状態に。そこで彼は、今でもオーナーの地位にあるフルハムのスタジアムに設置しようと計画を変更したようだ。

その結果、ホームスタジアムであるロンドンのクレイヴン・コテージの敷地内に、高さ約2.3メートルの大きなマイケル像が完成。ステージ上で輝いていた様をリアルに再現したマイケル像の姿に、4月3日の除幕式ではアルファイド氏もご満悦だったそう。建設の意図についてアルファイド氏は「彼はフルハムを愛していて、すべての試合を観戦したがっていた」と説明。また、マイケルの偉大さを表現したこの像は「誰もが誇りに思うべきもの」とし、アルファイド氏はチーム関係者やサポーターから愛される存在になると胸を張っている。

しかし、周囲の反応はさまざまだ。フルハムのDFブレデ・ハンゲランド選手(ノルウェー代表)は、「選手の中にはマイケルのファンもいるし、そうでない人もいる」と冷静な目でマイケル像を見つめているが、オーナーの意向はクラブの利益になると理解を示している。

一方、サポーターの中には納得がいかない人も少なくない。あるサポーターは、クラブには過去に名プレーヤーが数多くいるにも関わらず、彼らを差し置いて「マイケルの像があるなんておかしいよ」(英紙サンより)と憤慨。また、別のサポーターは「いい笑い者だよ。サッカーと関係ないじゃないか」と、応援するクラブの決定に複雑な思いを抱いているようだ。

実際のところ、マイケルがフルハムの試合を観戦したのは「1999年に1試合だけ」(デイリー・メール紙より)とされ、アルファイド氏が言うように本当にフルハムのファンだったのかどうかは定かではない。それでも強気なアルファイド氏は、サポーターの反発について聞かれると「理解も評価もしない一部のバカなファンは、地獄に落ちるだろう」と一蹴。さらに批判するサポーターに対し「フルハムファンであって欲しくない」とまで言い放ち、同じロンドンのライバルチームのファンになることを勧める始末だ。

ただ、こうした発言がメディアの話題を呼び、結果的にはマイケル像にも注目が集まることに。一連の話題作りも、ひょっとしたら敏腕実業家の“腕”なのかもしれない。

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