1万円で購入の絵が54億円に? 額縁欲しくて手に入れるも巨匠の絵の可能性。

2011/04/04 19:36 Written by Narinari.com編集部

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センスと知識を持ち合わせていなければ、その素晴らしさを理解するのがなかなか難しい絵画の世界。著名な画家が描いた作品ともなると驚くほどの価格で取引されるが、そんな著名画家の場合でも、未だに世の中に存在が知られていない作品が埋もれているケースはしばしば聞かれる。ある英国の男性は以前100ポンド(約1万3,000円)ほどで購入した絵にサインがあることに気が付き、競売業者に確認を依頼。すると、この絵は19世紀を代表するフランス人画家の作品である可能性が高く、本物と認められれば、少なくとも4,000万ポンド(約54億円)の価値になるという。

この絵を所有しているのは、ノーサンプトンシャー州に住む30代の男性。英紙サンでは2005年、英紙デイリー・メールでは2007年と伝えているが、いずれにしても男性は数年前にノーサンプトンの骨董屋で気に入った額縁を見つけ、額縁欲しさだけで絵のセットを購入した。購入したときのことは「よく覚えていない」としながらも、価格は「100ポンドもしなかった」(英紙デイリー・ミラーより)そうだ。

よほど絵には目が行かなかったのか、男性は購入後、すぐに額縁だけを活用。外された縦約0.9メートル、横約1.2メートルの絵はそのまま屋根裏に置かれたというから、かなり雑な扱いだったようだ。しかし最近になって、男性が芸術史の本を読んでいたときに、その絵とよく似たタッチの画家の作品を見つけたそう。画家の名前はポール・セザンヌ。1839年生まれのフランス人画家セザンヌの作品は、1999年に「3,800万ポンド(約51億円)」(デイリー・メール紙より)で売られたこともある、19世紀を代表する後期印象派の巨匠だ。

そこで屋根裏に放置していた絵をじっくりと見たところ、絵のタッチ以外にも、サインや「1854」と書かれた数字を発見。本を参考に慎重に検証を重ねた結果、セザンヌの絵である可能性を感じた男性は、デジカメで絵の写真を数枚撮り、競売業者に判断を委ねることにした。

依頼を受けた競売業者ウィルフォーズのティム・コンラッドさんは、「絵のタッチは確かにセザンヌの作品のように見える」(デイリー・ミラー紙より)と話し、本物である可能性が高いとの見解を発表。サインされた年が本当ならば、この絵はセザンヌがまだ15歳で、学生の頃の作品となるが、コンラッドさんは「非常に完成されている」(デイリー・メール紙より)と高く評価している。また、念のため「できるだけ早く専門家に見せるよう、所有者に勧めた」とし、これがセザンヌの作品だとすれば、4,000万ポンドは下らないと査定。「芸術界にとって大きなイベントになるだろう」と、期待を膨らませている。

ちなみに所有者の男性は、まだ本物と確認されていないことから「絵をどうするかは考えていない」(サン紙より)と語っているという。果たして大発見となるのだろうか。

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