自分がいる場所から半径500メートル内を検索し、周辺で起きた犯罪の件数がチェックできる――そんなiPhone向けアプリが、英国で注目されている。画面を見ればARタグで治安状況が一目瞭然とあって、開発者は「引っ越す際などに活用して欲しい」と考えているそうだ。
英ニュースサイトのスモールワールド・ニュースサービスによると、このアプリは3月1日から配信が始まった「Crime Finder (England & Wales)」。GPSにより「半径500メートル内で起きた最新の犯罪状況」を即座に把握できるという。AR技術(拡張現実)を用い、カメラを通じて画面に映し出された街並に強盗や暴力、銃を使った犯罪などを表すアイコンと、最近起きた犯罪件数を表示する。現在地点の周囲でどのような犯罪がどれほど起きているのかを、分かりやすく理解できる仕組みだ。
このアプリを開発したのは、英国でウェブデザインやアプリケーションを制作しているVentutec社で、価格は1.19ポンド(約160円)。iTunesに寄せられたユーザーからのコメントには、「なんてアプリだ。家から150メートルもないところで犯罪があったのを教えてくれた」といった驚きの声も寄せられている。また、開発者のケビン・サヴェージさんも「地域の犯罪レベルをチェックするのに最適」と記し、身近な場所での治安状況を把握、注意に役立てて欲しいと考えているようだ。
さらにサヴェージさんは、特に「よく知らない場所で家探しをしている人たち」(スモールワールド・ニュースサービスより)に役立つとコメント。新居として考えている家の周囲で起きた犯罪状況を「数秒以内に教えてくれる」とあって、確かに引っ越しの判断材料のひとつとして効果を発揮しそうだ。
このアプリが利用できる範囲はイングランドとウェールズ地域内のみだが、警察のサイトなどをチェックしなくても、手元のiPhoneで思い立ったらすぐ情報が入るのは便利。いくら注意していても、いつ自分が犯罪に巻き込まれるかは分からないだけに、できるだけ治安の良い地域で暮らしたいと考えている人には助かるアプリと言えそうだ。