人は誰しも興味を抱いたことについて、深く追求したくなるもの。その方法は知識を増やしたり、技術を身に付けたりと、人によってパターンはいろいろだ。米国に住む25歳の男性は、映画化もされて世界的に人気の「トランスフォーマー」が大好き。彼の場合はあまりに好きな気持ちが強すぎて、“自分がトランスフォーマーになる方法”を追求した結果、子ども用の電気自動車玩具をうまく使うことで夢を実現させてしまった。
英紙メトロによると、この男性はカリフォルニア州に住んでいるドリュー・ビューミアーさん。「ずっとトランスフォーマーの大ファンだった」と話す彼は、自らトランスフォーマーになるべく、パーツを自作する方法に力を注ぎ込んだ。彼は赤い子ども用の電気自動車玩具を手に入れると、それを体の各部に合うように分解。車の前部はボンネットに穴を開けて頭を通し、そのほかのドアや車体は背中に取り付けた。また、足には車のタイヤのほかに、すねを覆うように小さなタイヤ付プロテクターなどを装備。これにビューミアーさんがヘルメットを被ると、その姿は見事に“トランスフォーマー”だ。
しかも驚くのはまだ早い。タイヤを付けているのは、決して無意味ではないからだ。彼がうずくまるような姿勢を取ると各々のパーツが集まって、その姿は見紛うことなく1台の車。その状態で実際に走行している様子を映した動画は、「Worlds first driving transformer costume - Artemis Mark IV Prototype」(//www.youtube.com/watch?v=iKEeHlLgDsQ)のタイトルでYouTubeにも投稿されている。彼は立っている状態からしゃがんで車に変形し、走り出す場面を紹介。モーター音を響かせながら自走している姿を見せている。
これを可能にしているのは、彼が手に持つ前輪部分。もともと電気で自走するおもちゃの車を改造したとあって、前輪部分にあるスイッチを押すとタイヤが回転する仕組みになっており、彼がうずくまりながら操作をすると前輪の力で走行を開始する。ただ、足に取り付けた後輪は、映像を見ている限りでは接地できずに全く回転していない。これを補うために、脛に付けたプロテクターに小さなタイヤを取り付けているようだ。
この動画は2009年10月30日に投稿されており、少なくとも1年半以上前にはこのパーツを完成させていたようだが、メトロ紙によるとパーツの製作期間は8週間程度だったという。トランスフォーマーになる夢を実現したビューミアーさんは、これを装着して外出しては「観光客のみんなを楽しませているよ」と話している。
さらに、今年2月には米Foxテレビで放送中の人気オーディション番組「アメリカン・アイドル」にも出演。審査員の前で車となって走る様子を見せたほか、車姿のままステッペンウルフの名曲「Born To Be Wild」をアカペラで歌うという、かなり風変わりなパフォーマンスを繰り広げた。
そんなビューミアーさんの姿は海を渡って異国にも届き、英国からは熱い視線も。すでにコンタクトを取ってきた英国のバイヤーもいるようで、彼自身も来年にはキットを売りたいと意気込んでいるそうだ。