東日本を未曾有の大地震と津波が襲ってから2週間あまり。福島第1原発の問題も相まって、被災地の多くの人々が、避難生活など依然大きな苦労を強いられている状況だ。その一方で、盛岡以北の東北・秋田新幹線の運行再開や東北自動車道の全車両通行再開など、交通面では復旧作業が急ピッチで進められている。その復旧状況を伝える話題は海外でも報道されており、英国のメディアではNEXCO東日本が公開した、常磐自動車道の地震直後と修復後の写真を用いて、修復の早さを紹介する記事を軒並み掲載。記事に寄せられたコメントには、「信じられない」といった驚きの声が多数書き込まれている。
英メディアの間で大きく取り上げられたのは、NEXCO東日本が公開した常磐自動車道の那珂インターチェンジ付近の写真。地震直後の写真を見ると、高速道路上には大きな地割れと段差ができるなど、壊滅的な被害を受けた様子が一目瞭然だ。しかし、夜を徹しての復旧作業を行った結果、地震から6日後の3月17日夕方頃にはきれいな路面へと修復を完了。これにより、常磐自動車道は16日の水戸インターチェンジまでに続き、21日にはいわき中央インターチェンジまでの通行を再開した。
英メディアでは常磐自動車道が「たった6日で修復された」(英紙サンより)と、そのスピードと日本の技術力を紹介。「驚くべき早さ」(英紙ガーディアンより)、「この驚愕のスピードは日本の際だった“復興力”を示している」(英紙デイリー・メールより)など、どれもが驚きと称賛を持って報じられている。デイリー・メール紙では「多くの労働者が地震の翌日から仕事に戻った」と、復旧スピードが日本人の勤勉さによるものと示唆するような一文も。
こうした記事を見た海外のネットユーザーの多くは、一様に日本の底力に驚いている。300件以上の書き込みが寄せられているデイリー・メール紙には、「これは素晴らしすぎるな」「何で我々の道はこんな方法で修復できないんだ」と称賛の声が続々。しかし中には「たった数日で修復できる訳がない」「残念ながらこれはフェイクだ」と、木々の葉の色の違いを指摘して信じ切れないという人も。これに「皮肉を言っている人が信じられないな」と書き込まれるなど、称賛派と懐疑派の丁々発止のやり取りが続いているようだ。
また、20件以上書き込まれている英紙サンでは、「悲しくも我々にはできないな」「自治体の誰かはこれを読んだか?」など、地元の状況とを比較したコメントが多い。ほかにも「シドニーなら2020年までに完成すればラッキーだろうな」とするオーストラリアからの書き込みや、「大きな道路なら最悪10年はかかるよ」(デイリー・メール紙より)とするナイジェリアの書き込みなど、英国以外からの声も見られる。甚大な被害を受けたとはいえ、日本が海外から羨望の眼差しを送られるほどの技術力を持っているのは幸いなこと。こうした力をいかんなく発揮すれば、日本は一日も早い復興が実現できるはずだ。