予算不足で先生がいなくなる? 学校に貯金持参の女の子に校長ら感動。

2011/03/23 18:55 Written by Narinari.com編集部

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米テキサス州のある学区では、州からの予算分配削減を受けて、今後の支出予定の見直しを余儀なくされていた。その状況はテレビのニュースでも伝えられたのだが、ニュースを見た8歳の女の子は、大好きな先生たちが辞めさせられてしまうのでは……と思い、自分の貯金の一部を持って登校。彼女の思いがけない行動に、学校関係者は強く胸を打たれたという。

テキサス州フォートワースのダイアモンドヒル小学校に通うマリア・メネセスちゃんは、テレビのニュース番組で、学校が直面している厳しい現実を知った。彼女の小学校も含まれるフォートワース学区では、州の財政事情悪化に伴い、今後2年間に学区へ回される予算が8,000万ドル(約66億円)もカットされる事態に直面。このためフォートワース学区は「数百万ドルの予算不足が見込まれ」(MyFoxダラス・フォートワースより)、財政安定化への努力が不可欠とされているそうだ。

学校の中でも、ニュースを見た同級生が「先生たちが辞めてしまうかもしれない」(米紙フォートワース・スターテレグラムより)と話しているのを聞いたというメネセスちゃん。その理由を理解した彼女は、「誰にもいなくなって欲しくない」と、自ら行動を決意した。3月2日の朝、彼女はいつものように小学校へ登校すると、そのまま校長のもとへ。そして、彼女が大学へ行くためにコツコツと貯めているお金の一部を「学校に役立てて欲しい」と校長に渡そうとしたのだ。

これには、その場にいた学校関係者らも「生徒たちが財政問題に気が付いているとは」とビックリ。そして泣きながら校長に抱きついたというメネセスちゃんの姿に、多くの大人たちが「泣いた」そうだ。この気持ちを受け止めた校長は、「学校はこのままにするし、先生たちもまだ教え続けるわ」と必死に彼女を安心させ、持ってきたお金もそのまま返したという。

「子どもたちが財政問題を知っているとは。私たちがいなくなるのを心配しているなんて気が付かなかった」と話す校長は、彼女の行動が「胸に刺さる思い」だったと、そのときの気持ちを振り返る。また、娘の決意について全く知らなかったという母親も、「誇りに思う」(MyFoxダラス・フォートワースより)と我が子の行動に温かな眼差しを送っているようだ。

結局、将来の大学資金に影響を与えることなく、自分の気持ちを存分に伝え切ったメネセスちゃん。「医者か先生か、動物保護官か動物園の職員か、どれを選ぶか分からないわ」とまだまだ未来は描き切れてないようだが、どれも人や動物と深い関わりのある職業が並ぶ。8歳にしてこれだけの信念を持って行動できれば、きっと大学資金を有効に使って、立派な大人へ成長するに違いない。

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