相手を信用するため? うそ発見器の検査を受けるカップルの悲喜こもごも。

2011/02/17 14:24 Written by Narinari.com編集部

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日本ではバラエティ番組の演出などにも使われる“うそ発見器”ことポリグラフ。実際に試した経験を持つ人はそう多くはないだろうが、米国では気軽に検査を受けにやってくる一般人も少なくないようだ。バージニア州のある検査機関では、昨年1年間で約100組のカップルが「相手の気持ちを探りたい」と検査を依頼。その様子を見守ってきた検査官の男性は、それぞれが築いてきた愛の形の行方を、多く目の当たりにしてきたという。

この検査を行っているのは、バージニア州バージニアビーチにある「Executive Protection Group」。20年以上の活動実績を持ち、FBI(米連邦捜査局)や米海軍も厚い信頼を寄せているという、ベテランポリグラフ検査官のデイビッド・ゴールドバーグさんが2001年に設立した検査機関だ。ここでは一般の人からの検査依頼も受け付けており、「約400ドル(約3万3,000円)の料金」(米地方紙バージニアン・パイロットより)で、それぞれの依頼に対応したテストが行える。

その中でも最近多いのはカップルからの依頼。ここでは、昨年1年間で約100組のカップルから検査依頼を受け、彼らの多くはお金の問題や異性問題などを解決したくてやってきたという。どうも上辺だけでは分からない心の奥を明らかにして、相手を信用したいと思うカップルが少なくないようだ。

ポリグラフ検査はしっかりした管理下で行えば、結果の信頼性は「少なくとも96%」に上るそう。つまり、検査の結果はほぼ間違いなく相手の本性をさらけ出すということ。それだけに検査に立ち会ってきたゴールドバーグさんたちは、結果を目にしたカップルの悲喜こもごもな反応を数多く目の当たりにしてきたという。

31歳の女性、トーニャ・ハープさんも昨年ポリグラフ検査を受けた1人。彼女は、結婚を意識している交際相手からの求めで検査を受けた。というのも、昨年のクリスマスイブにプロポーズを受けたハープさんだったが、その後に彼女が別の男性と旅行に出かけていた事実を交際相手が察知。「ただの友人」と主張する彼女の言葉も、疑念を抱いた彼の耳にはすんなりとは聞き入れられず、彼はプロポーズを撤回する事態になってしまった。軽率な行動を後悔した彼女は、彼からポリグラフ検査の提案を受け、「無実を証明できるなら」と自らが被験者となることを決意したそうだ。

「隠すことは何もなかった」彼女は堂々と検査を受け、その結果、旅行に行った男性とは疑わしい関係ではなかったとすっきり証明。これにより、2人は再び順調に愛を育んでいるらしい。ただし、こうした喜ばしい例は一部に過ぎない。結果が報告される検査機関の会議室では、その瞬間「カップルはたいてい泣いたり笑ったりと感情的な状態になる」そうで、ゴールドバーグさんは悲しい実例も多く見てきたという。

ある女性の場合は、自分を愛しているのかを確かめたくて彼氏に検査を受けさせ、その結果、納得のいく反応が示されずに数か月後に別れたとも。また、関係解消や離婚を迫られて検査を受けさせられる男性の中には、問題ない結果を出せるように「予行演習を受けられるか」を尋ねたり、結果を操作して欲しいと金銭の提供を申し出る人もいるそうだ。

ゴールドバーグさんは、依頼してくるカップルの多くは、日頃から本音でぶつかりあわないのが問題としている。隠しごとの1つや2つは誰でも抱えているものだろうが、ポリグラフ検査まで受けるというのは余程のこと。本当に信頼しあえると思う相手を見つけたときは、検査を受ける前に心から誠実な対応を繰り返し、多少の問題は乗り越えるだけの関係を築いておきたいものだ。

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