「誘拐」で2匹の犬の絆を知る、救出後に保護センターで犬同士の結婚式。

2011/02/10 14:04 Written by Narinari.com編集部

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先日、米ニューヨークの動物保護施設で、犬の結婚式が催された。“カップル”である2匹の犬の結婚を決めたのはもちろん施設の職員たちだが、それはある日メス犬に起きた事件がきっかけだったという。

米紙ニューヨーク・デイリーニュースによると、舞台はニューヨークで動物を保護している「Brooklyn Animal Resource Coalition(BARC)」という施設。ここで昨年から暮らしている共に12歳の犬、オスのアーチーとメスのエディスが今回の話の主人公だ。

2匹は小さな頃から同じ飼い主のもとで、ずっと一緒に時間を過ごしてきた仲。しかし昨年、飼い主が入院したことをきっかけに施設に引き取られ、次の飼い主が現れるのを待っている状態だった。

そんな2匹に突然の事件が訪れたのは感謝祭を間近に控えた昨年11月下旬のこと。ずっとアーチーの傍らにいたはずのエディスが、その日、施設から忽然と姿を消してしまった。異変に気が付いた施設側は警察に通報し、エディスの安否を気遣って心を痛めていたようだが、それ以上に「アーチーを見るのが辛かった」という。

いつも自分の近くにいるのが当たり前だったエディスがいなくなり、アーチーは目に見えて落ち込んでいるのが分かるほど、元気がなくなってしまったのだ。施設の責任者ヴィニー・スピノラさんは、そのときの様子について「食べることも、眠ることもできず、休むこともできなかった」と振り返る。そうしたアーチーの姿を見たスピノラさんは、2匹に強い絆を感じたそうだ。

ただ、警察や職員の必死の捜索により、事態はすぐに解決する。施設内の監視カメラ映像に、動物の引き取りについて尋ねに来た女性がコートの下にエディスを隠して出ていったシーンが収められていたそう。この映像をもとに警察が女性の行方を追ったところ、事件から4日後にエディスを発見、彼女は再びアーチーの傍らに戻ってくることができた。

身勝手な人間によって突然その仲を引き離されながらも、再びその仲が繋がれた2匹。再会を果たした2匹は体全体で喜びを表していたそうで、「ボールに入っていた食事を全部たいらげたら、そこら中をお互いに飛び跳ねていた」という。

こうして2匹の強い絆を知った施設側は、「ずっと幸せに暮らせるように」との願いを込めて2匹の結婚式を開催。約1,500ドル(約12万円)の費用を捻出してドレスや新しいベッドを用意し、2匹の結婚を祝ったそうだ。

ときどきどちらか1匹を引き取りたいとの申し出はあるそうだが、スピノラさんは2匹が一緒に暮らせる家が見つかることを願っている。結婚式で“夫婦”と認められた2匹には、1日も早く素晴らしい飼い主が現れ、共に幸せな生活を過ごしてもらいたいものだ。

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