ビリヤードとボウリングが合体、大きな台の上で球を投げる「Knokkers」。

2011/02/02 10:48 Written by Narinari.com編集部

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ちょっとした遊びからプロの真剣勝負まで、さまざまな人に楽しまれているビリヤード。小さな球の軌道を読みながらポケットへ収めていくというそのプレースタイルから、華麗かつ繊細といったイメージが強い競技だ。だが、そんなビリヤードの繊細さを豪快なものにした、新しいスポーツの普及を目指している人々が米国にいるという。彼らが編み出した競技は「Knokkers」と呼ばれるもの。構想は30年近く前から練られていたこのスポーツは、ボウリングに似た球を使い、大きな台の上でビリヤードのように楽しむゲームだ。

このスポーツを生みだしたのは、ミズーリ州に住むスティーブ・ウィネックさん。1985年、地元のビリヤード大会に出場しているときに思いついた「Knokkers」は、ボウリングの球を使ってビリヤードのエイトボールと同じルールで楽しむものだ。それを実現するためにはボウリングの球を使っても耐え得る、大きな台が必要。しかし、残念ながらウィネックさんにはそこまでお金を回す余裕がなかったそうで、「3年前までテーブル作りに至らなかった」(米ニュースサイトAOLニュースより)という。

そこへ、いとこのサム・スパークスさんや「地元企業から寄付金」(英紙デイリー・メールより)といった協力者が現れたおかげで、構想から30年近く経ってようやく最初の試作台を自宅の裏庭に完成。鉄道で使用された枕木やカーペット、中古のタイヤなどで作られた台は、縦約9メートル、横約4.6メートルもの大きさに仕上がった。これでゲーム開発実現に目途がついたウィネックさんとスパークスさん。今度はスムーズなゲーム運びを行うべく、台の細かな修正を研究した。

例えば彼らは、実際に台の上でプレーをしてみて台上の硬さを調整。その結果「正確な動きをする」(AOLニュースより)として、普通のビリヤード台と同じ硬さとすることに決めた。そうすると今度は、このゲームで普通のボウリングの球を使ってしまうと「消耗に耐えきれない」と分かったという。そこでスパークスさんが、ポリウレタンを使った「約2.7キロの『Knokkers』ボール」を設計し開発。こうした研究を重ねた末に新ゲーム「Knokkers」が完成したそうだ。

考案者のウィネックさんは「私の子どもや孫も遊ぶのが好き」(デイリー・メール紙より)と、大人から子どもまで誰でも遊べるとしっかりアピールしている。それには理由があって、スパークスさんが中心となって「Knokkers」を広め、道具を売りだそうとビジネスの計画を立てているためだ。彼らは手始めに、すでに人を集めてゲームパーティーを開催。市民らにこのスポーツの存在を知ってもらうと、この数週間以内にカリフォルニア州のボウリング場に、初めての「Knokkers」公式競技台を設置したいと考えているという。

スパークスさんの会社では設置型とポータブル型の2種類の競技台を用意し、設置型のタイプは1台3万9,000ドル(約320万円)とのこと。スパークスさんは「本当に魅力的だ」とゲームに自信を示しており、さまざまな場所でPRを行ってファンの数を拡大し、向こう10年で世界中へ1,000台の販売を目指しているそう。この先10年内に日本で見かけるかは分からないが、もしもどこかで「Knokkers」の名前を目にしたら、1度プレーを試してみてはいかがだろうか。

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