57年前に離婚した夫婦が再婚、クリスマスに2度目のプロポーズを妻快諾。

2011/01/29 16:46 Written by Narinari.com編集部

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結婚してしらばくは幸せいっぱいでも、日常を共にしてから細かい問題が積み重なり、多少の我慢を強いられていくのが夫婦生活。多くはお互いに力を合わせ、それらの問題をうまく乗り越えているはずだが、中には残念ながら対処しきれずに離婚という選択を迫られるカップルもいる。もちろん、そのときはお互いに大きなショックを受けるだろうが、そこからまた長い年月が経てば、悪い思い出は風化し、良かった頃の記憶だけが残るものなのかもしれない。先日、英国では93歳の男性と90歳の女性が結婚したのだが、実はこの2人、70年前に1度結婚したものの57年前に離婚した元夫婦で、数年前から再び連絡を取り合うようになって再婚を決意したそうだ。

英紙デイリー・ミラーやデイリー・エクスプレスによると、半世紀以上を経て再び愛を確認し合ったのは、英中部ドリフフィールドで先週末に結婚した93歳のレスリー・ハーパーさんと、妻で90歳のエルシーさん。2人が最初に出会ったのは、第二次世界大戦を目前に控えた1937年だったという。当時海兵隊に入隊していたレスリーさんは、ある日友人たちと一緒にダンスホールへ行き、そこで若きエルシーさんらのグループと意気投合。当初はグループ交際として、時にはその仲間同士でいろいろな相手と遊びに出かけたりしたそうだが、レスリーさんはエルシーさんに心ひかれ、1941年に2人は結婚する。

しかし、結婚したのは第二次世界大戦の真っ最中という時代。海兵隊員のレスリーさんは「中国へ派遣された」(英紙デイリー・ミラーより)ため、長く2人は別々の生活を強いられるようになった。新婚直後に離ればなれとなった上、激しい戦闘で多くの仲間を失ったのを目の当たりにするなど、この戦争はレスリーさんの心にも大きな傷を残したようだ。

やがて1945年に娘を授かった2人。戦争が終わり、レスリーさんは家族を支えるべく会社員として働き始め、いよいよ幸せな生活が待ち受けているかに思えわれた。しかしこのとき、エルシーさんには戦争から戻ってきた夫が「人が変わった」(英紙デイリー・エクスプレスより)ように思えたそうで、夫婦の間には徐々に溝が生まれてしまう。離婚に対する世間的な目もあり、エルシーさんは関係の向上に努めたそうだが、時間の経過と共にいよいよ結婚生活は破綻、1954年に2人は離婚という結論に至った。

それから、2人はそれぞれ別の伴侶を見つけて共に再婚。幸せな生活を送っていたようだが、2004年に再び2人に転機が訪れる。この年、妻を亡くしたレスリーさんは、2人の娘に連絡。そのとき「お前の母親は私に会ってくれると思うか?」とたずねたそうだ。実はこのとき、エルシーさんも2002年に夫を亡くし、独り身の状態だった。娘は父母が再会することを「大賛成した」そうで、レスリーさんは離婚してから初めてエルシーさんへ直接連絡を取り、その後会う約束を取りつける。

最初は「二度と会いたくなかった」と話したエルシーさん。遠い昔、離婚した直後はよほど辛く、嫌な感情を抱いていたのか、レスリーさんとの結婚写真は捨て、娘とは連絡を取っても彼とは一切話をしてこなかったという。ところが、50年ぶりに見た元夫は「少しも変わっていなかった」と感激。再会を果たした瞬間も「これまで別れていなかったかのように」、すぐに打ち解けたそうだ。これでお互いへの愛情が復活した2人、昨年のクリスマスにレスリーさんが2度目のプロポーズを行い、エルシーさんもこれを快諾。先週、娘らお互いの親族が見守る中、2人は再婚を果たした。

昔の思い出の品はすべて捨てたというエルシーさんに対し、「私はみんな大事に保管してきた」(デイリー・ミラー紙より)というレスリーさん。どうやら、離婚して別の女性と結婚生活を送る中でも、どこか忘れられないものがあったらしい。今では「本当の愛はずっと続くと思う」(デイリー・エクスプレス紙より)と元妻に言わせしめるほど、信頼を取り戻しあった2人。きっと今は、70年前の新婚直後と同じような幸せを噛みしめているに違いない。

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