スピード測定器不具合で過去1年以上の違反取消、納付済み罰金も返金へ。

2011/01/26 20:51 Written by Narinari.com編集部

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交通量の少ない場所や高速道路では、悪いことだと分かってはいても、ついつい車のスピードを上げてしまうドライバーは多い。しかし、スピード自動測定器の設置されているポイントを通過すればカメラですべて記録されるため、警察から速度超過を追及されればまず言い逃れることは不可能だ。これはいくら当事者に記憶がなくても、測定器の記録が絶対に間違うことがないとの前提があるからこそ成立するシステムだが、先日カナダでは、ある交差点に設置されていた測定器に不具合が見つかり、州当局が1年以上も前までさかのぼって、すべての違反取消を決めるという一件があった。

カナダ紙エドモントン・サンによると、問題が起きたのはアルバータ州エドモントンの交差点に設置されていた測定器。今年1月12日、街を走るイエローヘッド・トレイルという通りの測定器が、時速143キロで走っていた車を自動撮影し、スピード違反切符を交付した。ところが、この違反案件を目にしたアルバータ州司法当局の主席検事は疑問を感じたという。「近くを走るすべての車が同じスピードで走っているのに、この車がイエローヘッドで143キロも出せるわけがない」と、測定器の結果を怪しんだそうだ。

その結果、測定器には不具合があると判明。この影響は過去にエドモントン市内の交差点で測定器に取り締まられたほかのスピード違反の記録にも及び、州司法当局は2009年11月から今年1月14日までに検挙された記録をすべて取り消す決定を下した。この間、スピード違反の切符は「14万1,729枚」(カナダ紙エドモントン・ジャーナルより)も交付されており、このうち10万2,700枚はすでに罰金が納付済みらしい。

司法当局は、これらの罰金についても返還を決定。その額は「最高1,270万カナダドル(約10億4,000万円)」にも上るという。今回の決定を受けて、エドモントン市内の交差点に設置されているスピード測定器は、不具合修理のため少なくとも1か月間は姿を消す見込み。また、測定器への信頼低下は否めず、エドモントン交通局長は今後の交通事情悪化に懸念を抱いている。

ちなみに、今回不具合が見つかったのはエドモントンに設置されている測定器のみ。同じアルバータ州のカルガリーでは「エドモントンで使用されているものより古い」(カナダ放送局CTVカルガリーより)タイプの28台が設置されてるそうだが、テストも行い問題なしとカルガリー警察は発表している。

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