eBayにジェットコースター出品中、閉園した遊園地が再建に向けて売却。

2011/01/15 12:40 Written by Narinari.com編集部

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ジェットコースターといえば、遊園地の人気を左右するほどの人気アトラクションの1つ。スピードとスリルを苦手とする人もいる一方で、熱狂的にコースターを愛するファンも多い。そんな人気と集客を見込めるジェットコースターだが、米国のある遊園地の経営者は、このたび競売サイトのeBayを通じて売りに出す決断をした。現在40万ドル(約3,300万円)で出品されているが、その裏にはこの遊園地が抱える特別な事情があるという。

このジェットコースターは、オクラホマ州タルサでかつて営業していた遊園地「ベルズ・アミューズメントパーク」に、1968年から設置されていた木造の「Zingo」。ほかと同様に人気アトラクションだった「Zingo」は、ファンから「タルサの歴史の一部だった」(米放送局ABC系列KTUL-TVより)と語られるほど、多くの地元市民に長年愛されていた。

しかし2006年末、この遊園地は55年の歴史に幕を下ろし閉園。以来、経営者のロバート・ベルさんは「ベルズ・アミューズメントパーク」の再開に向けて努力を続け、その結果数か月後には、ようやく将来の再建計画が発表できるところまで漕ぎつけたようだ。

そうした中、ベルさんが再建資金の捻出のために決断したのが、閉園後、解体した状態で保管していた「Zingo」一式の売却。eBayの出品ページの説明によると、売りに出されているのは車両やコースに使われる木材、モーターやチェーンなど必要部品が揃った一式で、価格は40万ドルに設定されている。

ただ、木材のみか、それ以外の機材一式セットに分け、それぞれ25万ドル(約2,060万円)とする売却にも対応するほか、40万ドルではなくても「ベストオファー」と判断すれば、売却を検討するという。説明には「この機材と木材は2011年5月30日までに今の場所から動かさなくてはならない」ともあり、早期の決着を望んでいる様子がうかがえる。

現在のところ仮に計画通り再建を果たしたとしても、新しい遊園地に「Zingo」の新バージョンを設置するかどうかは「分からない」(KOTVより)とのことだが、将来を見越して売却しないものも。それは「Zingo」という名前だ。この名前は商標登録されているため、仮に一式を買った人が移設したとしても、それは「Zingo」と名乗ることはできない。ちなみに、新バージョンを建設する場合は、全部で325万ドル(2億6,800万円)の費用を見積もっているという。

設置場所も確保しなければならないこの巨大な出品物。果たして40万ドルという大金を出す企業や個人が現れるのか。オークションは約1か月後に終了する予定だ。

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