40代で目指した騎手の夢叶う、体重100kg超も妻の一言で挑戦を決意。

2011/01/13 14:52 Written by Narinari.com編集部

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その大小に関わらず夢を叶えようと思ったら、自ら動き出さなければ決して実現することはない。何もせずに諦める前に、強い気持ちを持って1つずつハードルを乗り越えていけば、その分だけ実現への道が開かれていくはずだ。

現在50歳の英国のある男性は今から3年前、普通に考えれば無茶だと思われるような夢を妻との会話をきっかけに追い始め、40代後半にして見事に実現させた。その夢は「ジョッキーになりたい」というもの。当時、体重は約100キロと大柄な体格だったものの、夢を叶えるためにダイエットや練習に励み、ジョッキーとしてレースに騎乗するという悲願を達成したそうだ。少し前の出来事だが、昨年この体験をまとめた書籍が出版されたことを受け、英メディアを中心に話題を呼んでいる。

この男性は英国で雑誌記者をしているドミニク・プリンスさん。その道30年のキャリアを持つベテラン記者の彼は、現在フードライターの妻と、13歳の息子と10歳の娘を持つ良きパパだ。

英紙ガーディアンやデイリー・メールなどによると、13歳のときに馬の素晴らしさを知り、病気になった父への悲しみを癒してもらったという経験を持つプリンスさん。しかし28歳のときにアイルランドで乗馬をしていた際に、乗っていた馬が壁を飛び越えようとして失敗、大ケガを負ってしまう。この事故にショックを受けた彼は、その日を「馬に乗る最後の日」(英紙デイリー・メールより)と心に決めた。

以来、馬に乗らなくなった彼は、日ごろの生活習慣が大きく影響してみるみる肥大化。運動嫌いで酒やタバコは大好き、さらにはフードライターをこなす愛妻の料理を食べ続けた結果、身長約177センチの彼の体は、体重約105キロまで成長した。

そして迎えた3年前の誕生日。すっかり太ってしまった夫が肥満の影響で病気になるのではないかと心配した妻は、「私のために痩せられないというなら、何のためなら痩せられるの」と体の話を切り出した。すると彼は、「また馬に乗るために痩せる」と宣言。これに妻は当初ただの乗馬だと思っていたようで、その表情はプリンスさんの目には「不服そうに見えた」という。しかし、彼が目指したのは乗馬ではなく、「馬に乗ってレースに出ること」。これは乗馬を辞めたときに心残りだった夢のひとつで、話を聞いた妻は態度を一変させ、夫のチャレンジを応援することになった。

そこからプリンスさんのダイエット生活がスタート。目標の体重はアマチュアレースに出場するための上限約76キロで、1か月に3キロずつ減らし、2008年9月までに目標へ到達しようと食生活を大幅に変え、運動も毎日「水泳と自転車」を取り入れた。すると、4か月経った5月中旬に彼の体重は約82キロに。体重に目途がついたプリンスさんは、今度は自分が乗る馬を探すために友人の調教師に相談すると、この調教師が話を引き受け、そこから騎乗練習が始まった。

時には顔を蹴られケガをしながらも週に数回調教師のもとへ通い、練習に励む日々。そんな生活がしばらく続いた後、出場レースをノーサンプトンシャー州の競馬場で開催されるアマチュアレースに定め、レース数日前に騎乗試験をパス、夢の実現はもうすぐそこに迫った。

そして2008年11月6日、彼はついにジョッキーとして競馬場に足を踏み入れる。当日の体重は約77キロと規定より1キロオーバーというミスはしたものの、12頭立てのレースに出走し、結果は7着だった。妻は子どもたちと共に応援に駆け付け、レース後には夫をキスでお出迎え。苦しいダイエットを成し遂げ、約束と夢を同時に叶えた夫を祝福したという。

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