別人の名前騙りより重い罪に、逮捕を逃れるためについたウソが裏目。

2011/01/12 16:29 Written by Narinari.com編集部

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米国のある22歳の男は以前、「警察に逮捕されたくないから」との理由で、交通検問時に別人の名前を騙りました。ところが、彼は逮捕を免れるどころか、その別人としてさらに重い罪で逮捕され、嘘が証明されるまで1年以上も刑務所で暮らしたそうです。

米紙ダラス・モーニングニュースなどによると、テキサス州ダラスに住むマリオ・ミラモンテスは、違法薬物所持などの罪で、何年にもわたり少年院や刑務所を行ったり来たりしていた男。別人として逮捕された2007年にも、過去の罪の保護観察期間に規則違反をしていたため、当時逮捕状が出ていました。

ミラモンテスが騙ったのは彼のいとこの名で、クリストファー・アヤーラという人物。実は以前にもアヤーラになりすましたことがあり、検問時にもこの方法で逃げようと考えたのです。

しかしミラモンテスは、妻子もあり、真っ当な人生を歩んでいそうなアヤーラにまさか逮捕状が出ているとは思いも寄りませんでした。なんとアヤーラは、親戚の女の子に性的いたずらをした容疑で指名手配中だったのです。

名前を騙ったためにアヤーラとして逮捕されたミラモンテス。自らが招いた事態とはいえ、性犯罪者として刑務所に入れられるのは避けたいと、本当の身分を明かします。ところが、ダラス当局にある登録には、ミラモンテスとアヤーラは同一人物として登録されていました。「偽名を使って罪を犯すことはよくある」ため、犯罪者のデータベースには、本当は1人なのに複数の名前が記されていることは珍しくないのです。実際、過去にいとこを騙ったことがあるミラモンテスのデータにも、こうした背景で2つの名前が登録されていたものと推察されます。

そのため自身を証明することが困難になったミラモンテスは、その後、アヤーラ本人に助けを求め、アヤーラも弁護士を連れて警察に自首。「間違った人物が自分として刑務所に入っている」と訴えたそうですが、ここでまた警察内の情報の伝達や確認作業の遅れなどから、結局「ミラモンテスはアヤーラではない」と認められたのは、逮捕から13か月後でした。

最初から正直に身分を明かし、自分の罪を認めていれば、これほど長く刑務所暮らしをすることはなかったはず。ミラモンテスは現在、不公平に受刑期間を延長されたとして、賠償金を求める裁判を起こしています。彼は「たとえきっかけを自分で作ったとしても、確認作業をすみやかに行わなかった警察の責任」を追求したいとのことです。

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