「黄金の声」で人生が劇的変化、路上生活からたちまち全米注目の人に。

2011/01/06 08:40 Written by Narinari.com編集部

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どんな才能があろうとも、人に認められなくては宝の持ち腐れ。さらに言えば、それを誰に認めてもらえるかというのも、才能を開花させるための重要なポイントだ。いま米国では、年が明けたつい先日まで、日々の生活にも困っていたという路上生活者の男性が大きな注目を集めている。地元紙が「黄金の声を持つ路上生活者」として、道路の分離帯に立っていたこの男性の動画を紹介したところ、たちまち大評判に。転載されたYouTube(「Homeless man w/golden radio voice in Columbus, OH」//www.youtube.com/watch?v=uTysXITBCmk)の再生回数はわずか3日間で600万回を突破、米国や英国のメディアを中心にこぞって記事が掲載されるほどで、男性のもとにはナレーションなどの仕事依頼が続々と舞い込んでいるという。

この男性はオハイオ州コロンバスで生活をしているテッド・ウィリアムズさん。彼が注目を集めるきっかけとなったのは、地元紙コロンバス・ディスパッチが1月3日付で配信した動画記事だ。1分半あまりの動画は、同紙記者が車で市内の道路を疾走している場面からスタート。すると、中央分離帯の芝生に立つウィリアムズさんに遭遇する。

「私は神に贈られた声を持っている」と書かれた段ボールを手に、車に近付いてくるウィリアムズさん。記者の誘いに応じてすぐさま話し出す彼の声は、あたかもラジオのDJのように落ち着いた低音で、口調は音楽のように淀みない。それもそのはず、手にした段ボールに記されたメッセージには「元ラジオアナウンサー」との文字も。そんな彼が、なぜ路上生活を送る羽目になったのだろうか。

コロンバス・ディスパッチ紙によると、ニューヨーク・ブルックリン生まれの彼は1980年代にオハイオ州の放送学校に通った後に、同州やノースカロライナ州のラジオ局でアナウンサーとして就職。しかし、窃盗や薬物使用の罪で1990年に刑務所行きを味わってから人生の転落が始まり、ほかにも不法侵入などを行って繰り返し警察の世話になっていたという。結婚していた妻とも1998年に離婚。7人の子どもたちも全員がコロンバス市内に住んでいるというが、もはや罪を繰り返す父親に手を差し伸べる家族はいなくなってしまったようだ。

この2年半は酒や薬物に溺れることなく、まともな精神状態になったと主張するウィリアムズさんは、コロンバス・ディスパッチ紙の取材に「普通の生活に戻りたい」と話している。せめて1万8,000ドル(約150万円)の年収を得て、落ち着いて生活できるアパートに住み、食事を作りたいと語っていた彼の人生は、動画記事掲載ですぐに一変した。

投稿されたYouTubeの再生回数は急上昇しているだけでなく、全米メディアも彼の声に注目。米放送局NBC、CBSなどが番組に出演させたほか、MTVやESPN、地元ラジオ局にNFLのチームなどがナレーションやアナウンサーの仕事をオファーしているという。わずか数日での劇的な状況変化に「スーザン・ボイルみたいだ」と興奮を口にしたウィリアムズさん。人生をやり直すまたとないチャンスを大いに生かし、再び幸せを掴んでほしいところだ。

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