未完成のままエレベーター稼働、苦肉の策もマンション住民は不安に。

2011/01/05 12:32 Written by Narinari.com編集部

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オフィスや住居など、高い建物では日常的に利用されているエレベーター。もしエレベーターがなければ毎日階段で上り下りをしなければならず、不便なことこの上ないが、中国のあるマンションではこのたび、未完成のままのエレベーターを稼働させるハメとなり、住民を悩ませているという。いったいどういうことなのだろうか。

このエレベーターの存在が明らかになったのは、浙江省杭州市大兜路にある20階建てのマンション。中国紙銭江晩報などによると、このマンションは10年以上前に建てられたマンションで、エレベーターの老朽化に伴い、新しいエレベーターへのリニューアル工事が進められていた。しかし、リニューアル工事が完了する前に稼働していた古いほうが故障。未完成の新エレベーターで急場をしのぐことになり、「エレベーター内の各階ボタンが反応しない」「扉がない」状態で稼働することになった。

気になるのはどのように運転されているのかだが、利用者はまず、1階に待機している管理員に希望の階数を伝える。すると管理員が「3人は20階へ、2人は8階へ」といった具合に管理室で階数を入力。エレベーターは指定された階まで上昇して停止するようになっている。

一方、逆に下降するときには、各階に備え付けられた「お知らせブザー」の音を聞いて乗り場へ行けば、エレベーターに乗れるそうだ。お年寄りや子どものために、普通よりも停止時間を延ばせるボタンも備え付けられているという。

また、扉がまだ付いていないため、昇降速度はゆっくり。利用者が乗り込む際には、安全を確保するために管理員が必ず「エレベーターの奥に入ってください」と注意するようにしている。

このようになんとか運用されている未完成のエレベーターだが、実際にマンションで暮らす住民の不便さは推して知るべしといったところ。住民の中には1日の外出回数を減らしたり、安全への不安から子どもだけでは乗せないように配慮する人も多いそうだ。住民にとってはとんだ災難となってしまった。

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