夫が作った愛情エレベーター、妻は「結婚よりも嬉しい!」と大喜び。

2010/12/24 10:13 Written by Narinari.com編集部

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愛するパートナーの気持ちが込もった手作りのプレゼントはやはり嬉しいものだが、中国には、足の悪い妻のためにエレベーターを自作してプレゼントした男性がいる。妻はこれに「結婚よりも嬉しい!」と大喜びしたそうだ。

中国紙中国日報や城市新報などによると、この夫婦は山東省臨沂市で暮らす王忠玉さんと卓保蘭さん。ともにもうすぐ70歳を迎える老夫婦だ。

王さんの妻は2000年12月に脳溢血のため半身不随となり、以来、王さんは妻の面倒を見続けてきた。もちろん、妻がトイレへ行ったり、寝たりするときはいつもサポートしてあげなければならない。中でも大変なのが外出するときで、妻を背負い、1時間もかけて階段を上り下りしていたそうだ。

そうした生活がしばらく続いたが、歳を重ねるにつれて王さん自身も自分の力に限界を感じ始めた。妻の体重は90キロ程度あり、老体にはこたえる重さだ。とは言え、仮に妻を外出させないようにしてしまったら、退屈な毎日を送らせるハメになってしまう。王さんは何とかしようと悩んだが、これといった策も見つからないまま悶々とした日々を過ごすことになった。

そんなとき、王さんは外で見た工事現場のエレベーターにピンと来た。「妻のために、エレベーターを作ってあげられるかもしれない!」と、さっそく模型の制作を開始。そして2009年3月、市内の中古金属市場を歩き回って部品をかき集め、エレベーターの自作に取りかかる。

王さんはもともと自動車修理工を生業としていたため技術を持っており、また、たまたまエレベーターに詳しい友人もいたことから、制作開始から約2か月でエレベーターは完成。しかし、重石を載せて試験運転をしたところ、昇降移動に問題が生じてしまい、運用開始とはいかなかった。

しかし、それでもあきらめなかった王さんは研究に研究を重ね、最初の失敗から約1か月後となる5月28日に試験運転に成功する。そして6月6日、王さんは妻を初めてエレベーターに乗せ階下へ運んだ。その日、妻は新しい靴、新しい服で精いっぱいのオシャレをしてエレベーターに乗り込んだという。

なお、この話はブログに王さん夫妻の写真が掲載されたことをきっかけに、メディアを通じて多くの人が知ることになった。中国のネットではその夫婦愛に称賛や感動の声が上がるとともに、素人の自作エレベーターの「安全問題」を不安視する声もあったが、王さんは「私たちの40年余りの夫婦生活のように堅固です」と冗談を飛ばしているという。また、今年12月現在、王さん夫婦はエレベーター付きの別の家に引っ越しており、自家製エレベーターは「天寿をまっとうした」とのことだ。

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