長年の仲良し2人は双子だった、出会いから数十年後にDNA鑑定で判明。

2010/12/10 12:16 Written by Narinari.com編集部

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普段当たり前のように接している友人や知人が、突然自分と同じ血が流れる兄弟姉妹だと判明したら、人はどのような反応を示すのだろうか。今まで以上に仲良くなるのか、それとも距離を置くようになるのか――。中国では先日、仲の良い友人として付き合っていた2人の女性が、実は双子の姉妹であることが発覚。それは2人が出逢ってから38年という長い月日が流れた後に訪れたサプライズだった。

中国紙大河報や環球時報、中国日報などによると、今年50歳になる華霞さんと馬玲さん(ともに仮名)が出逢ったのは、今から38年も前のこと。河南省洛陽で育った2人は、お互い近所に住んでいたにも関わらず、それまでは会うことがなかったという。ときおり友人や知人から「似ている女の子がいる」と何度か聞かされたことはあったそうだが、直接出逢うことは一切なかった。

しかし、1972年10月、華さんと馬さんの友人同士が知り合いだったことから、2人は顔を合わせることになる。華さんと馬さんは外見が似ているだけでなく、孤児だったことなど生い立ちもとても似通っていたため、友人が気を利かせて会えるように取り計らってくれたのだという。華さんは馬さんと最初に会ったときのことを今でも鮮明に覚えており、「まるで鏡を見ているようでしたよ。とても不思議でした」と振り返る。

友人の紹介で知り合った2人だが、すぐに意気投合。時間が経つに連れ、2人の関係はどんどん深まって行った。

しかし、当時の2人の家庭の暮らしは正反対。華さんの家庭は比較的裕福で、馬さんの家庭は貧しい農村家庭だった。そのため、華さんは養母にお願いして、馬さんにもお揃いの洋服を作ってくれるようお願いしたりしたそうだ。また、華さんの母親が病気になったときには、馬さんが交代で看病に訪れたりするなど、もはや2人は本当の姉妹のような関係になっていた。

1980年になると、2人は相前後して結婚。子どもも誕生した。ともに生活は今まで以上に忙しくなり、関係も疎遠になるかと思いきや、今度は家族間の交流が始まる。2000年に華さんの夫が病に倒れ帰らぬ人となったときには、馬さんは頻繁に日用品や食品を届けたりするなどしてサポート。“姉妹”と慕い合う2人にとって、幸せや苦しみはともに分かち合うものだった。

出逢ってから一緒に過ごす時間が長くなるにつれ、周囲からは「双子ではないのか?」と訊ねられる機会も増えた華さんと馬さん。それでも2人は自分たちが双子であるという点についてはまだ疑問を持っていた。華さんは「私の性格は外交的ですが、彼女(馬さん)は内向的。それに戸籍上の年齢も違っていたので……」とその理由を話す。実際には血液型が同じO型であること、鼻炎持ちであることなどいくつか類似点もあったのだが、他人として知り合った2人が血の繋がった姉妹であり、かつ双子であるとは、そう簡単に信じられることではないだろう。

しかし、2006年、そんな2人の“真の関係”を知るための格好のチャンスが訪れる。テレビ局が2人の存在を知り、DNA鑑定を受けられることになったのだ。

そして2006年5月16日、DNA鑑定の結果がテレビの生放送で発表された。その結果は「双子の姉妹」。2人は番組内で涙を流しながら抱擁を交わしたが、それは“姉妹”のような親しい関係になってから、34年という長い月日が経った後の出来事だった。

その後、専門の病院で再度検査。結果はやはり“一卵性双生児”で間違いなかった。曖昧ではあるものの、馬さんの記憶によれば、彼女は3、4歳の頃、江蘇省から洛陽まで車や列車を乗り継いで連れて来られたという。列車の車両の中には子どもがたくさんいて、大きなベッドでほかの子どもたちと一緒に遊んだ記憶があるそう。そして、子どもたちは一人ずつ誰かに抱かれ、その場を後にしていったらしい。

それからしばらく年月が流れ、今年のはじめ。2人の身体的な特徴を知った江蘇省の男性が「自分の妹たちではないか」と名乗り出た。そこで男性と2人のDNA鑑定を実施。結果は先日明らかになり、男性は生き別れた兄だと判明する。さらに生存するほかの兄弟とも対面を果たした。ただ、自分たちを捨てた両親はすでに他界しており、墓前で2人は「安らかに眠ってください。私たちは元気です」と手を合わせると、兄弟たちは2人を慰めるように背中をさすったという。

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